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心の奥底から放棄するのだ

「すべてをうち捨て、この世を放棄しなさい。
 今の私たちは、台所に迷い込んで一片の肉を食べながら、いつ何時誰かがやってきて自分を追い出すかもしれないと、戦々恐々とあたりを見回している犬のようだ。そうではなく、王でありなさい。あなたがこの世界を所有していると知るのだ。このようなあり方は、あなたが世界を放棄し、世界があなたを束縛しなくなるまでは決して実現しない。
 もし実際の生活でそれができないなら、心で放棄しなさい。心の奥底から放棄するのだ。ヴァイラーギヤ(放棄)を自分のものとしなさい。
 これが、真に神に身を捧げるということである。それがなければ、霊性に達することなど不可能なのだ。
 (現世的なものへの)渇愛を抱くな。切に望んだものは実現する。そしてそれには恐ろしい束縛がついてくる。
 私たちが真我に満ち足りるまでは、決して自由は得られないのである。」

「他の人々の存在の中に、あなた自身を感じるようになり、私たちがすべて一つであると知るようになりなさい。そのほかの枝葉のことはほおっておくのだ。」

「過去の行為を元に戻すことはできないし、行為の結果は必ずもたらされるものである。面と向かって、それに対処しなさい。しかし、決して同じ間違いを犯さないように気をつけるのだ。
 すべての行為のもたらす重荷を主にゆだねよ。
 善い行いも、悪い行いも、すべてゆだねよ。
 善い行いは自分のものにしておいて、悪い行いだけをゆだねてはならない。
 神は、自らを助けない者を助けてくださるのである。」

「渇愛という酒を飲んで、世の人々は狂う。昼と夜が決して一緒にやってこないように、(現世的なものへの)渇愛と主が一緒にやってくることなど決してないのだ。渇愛を捨て去りなさい。」

 
「『食べ物、食べ物』とただ言っていることと、それを食べることの間には、大変大きな違いがある。だから、ただ『神、神』という言葉を繰り返すだけでは、悟りに達することなどは不可能なのである。私たちは努力し、実践しなくてはならない。」

「波は再び海に戻ることによってのみ、無限のものとなる。波自体のままでは、無限になることはできない。波が海となったときには、再び波の姿を取ることもできる。どのような大波にでもなれる。自分を波の一つであるとみなすことをやめて、すでに自分が自由であると知りなさい。」

 ――スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ

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