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要約・ラーマクリシュナの生涯(28)「ラーマクリシュナがブラーフモー・サマージに与えた影響」③

◎ケシャブとヴィジャイを和合させるラーマクリシュナ

 ブラーフモー・サマージが分裂したとき、ヴィジャイ・クリシュナ・ゴースワミーとシヴァナート・シャーストリーは、シャーダーロン・ブラフモー・サマージのほうの指導者となった。
 ヴィジャイは、ケシャブの娘の若年結婚事件の後は、それまで指導者として仰いでいたケシャブを避けるようになった。そしてこの二つのブラーフモー・サマージの会員同士の間にも、ひどい不和が生じていた。互いに口もきかないほどであった。しかしそれぞれの会員たちは、依然としてドッキネッショルのラーマクリシュナのもとを訪問し続けていた。
 ある日、ラーマクリシュナを中心とした集まりで、ケシャブとその信奉者、そしてヴィジャイとその信奉者たちが、偶然鉢合わせになったことがあった。両グループは非常に緊張した雰囲気に包まれ、ケシャブとヴィジャイは困惑した。それに気づいたラーマクリシュナは、二人に対してこう言った。

「シヴァとラーマが大きな戦をしたことがあったのだよだが知っての通り、シヴァのグルはラーマで、ラーマのグルはシヴァだ。だから戦が終わって仲直りするのに長くはかからなかった。しかしシヴァの信奉者の幽霊たちやラーマの信奉者の猿たちは仲直りできなかった。幽霊と猿はケンカし続けたのだ。
 起きたことは起きたことだ。これ以上たがいに悪感情を抱いてはならないよ。それは幽霊と猿に任せておくがよい。」

 それ以降、ケシャブとヴィジャイは、少なくとも口をきくようにはなった。

◎ヴィジャイの進歩

 ヴィジャイがラーマクリシュナをグルとして見ていたかどうかはわからない。ある別のグルがいたという説もある。しかしヴィジャイがラーマクリシュナを高く評価していたことは事実であり、時が経つにつれてラーマクリシュナの影響を強く受けるようになっていった。
 ヴィジャイはもともとは形ある神への信仰が好きだった。しかしブラフモー・サマージの教義に真実を見出したため、それを捨てて、無形の神のみを信奉していた。しかしラーマクリシュナの影響もあり、もともと自分の中にあった形ある神への信仰を隠し切れなくなった。また、ラーマクリシュナの恩寵もあって修行がどんどん進んでいくうちに、組織のための責任に束縛されるのも嫌うようになった。このような理由によって、ヴィジャイはシャーダーロン・ブラフモー・サマージを脱退した。
 脱退後ヴィジャイは、職を失ったためにしばらく経済的に困窮したが、少しも悲嘆することはなかった。そして霊的境地は日々深まっていった。キールタンの最中に奔放に舞い、頻繁にサマーディに入るようになった。ラーマクリシュナはこのようなヴィジャイの境地について、こう言った。

「ヴィジャイはサーダナーの極地である奥の間の隣室まで来ていて、その扉を叩いているところだ。」

◎組織を守るためにドッキネッショル訪問をやめたシヴァナート

 ヴィジャイがシャーダーロン・ブラフモー・サマージを去ったとき、彼に強い信仰を抱いていた会員たちも一緒に去っていき、シャーダーロン・ブラフモー・サマージの会員数は激減した。シヴァナート・シャーストリーは、シャーダーロン・ブラフモー・サマージに残った会員たちを守ろうとした。
 もともとシヴァナート・シャーストリーは、何度もラーマクリシュナのもとを訪ね、ラーマクリシュナを非常に敬愛し、またラーマクリシュナからも非常にかわいがられていた。しかしヴィジャイがラーマクリシュナの影響を受けてシャーダーロン・ブラフモー・サマージを去ったことは多くの人が知っていたので、自分がこれ以上ラーマクリシュナのもとを訪ねると、他の会員も真似してラーマクリシュナをもとを訪ね、その影響を受けて、シャーダーロン・ブラフモー・サマージがつぶれてしまうと思い込み、以前のように頻繁に行くのをやめた。
 それだけではなくシヴァナートは、ラーマクリシュナに対して批判的なことまで言うようになった。ブラフモー・サマージの会員やラーマクリシュナの信者たちに対して、

「師の法悦状態やサマーディは神経衰弱によるもので、過度の肉体的苦行のせいで脳が錯乱しているからだ。神経障害によるヒステリーや癲癇に似た症状だ。師がときおり意識を失われるのも、そうした患者に似ている。」

などと言っていた。
 これを伝え聞いたラーマクリシュナは、あるとき、ドッキネッショルにやってきたシヴァナートに対してこう言った。

「さてシヴァナート、お前は私のサマーディが病気で、サマーディのときには意識を失うと言っているそうだね。
 昼も夜もレンガや木材、土くれや金などの物質的なものばかり考えているお前が、自分の心は健全だと思っている。そして昼も夜も神を瞑想している私が、無智で意識を失うと見ている。私の意識が全宇宙に意識を与えているというのに。何と立派な理屈だろうね! どういう知性をしているのかね?」

 シヴァナートは何も言えなかった。

 このように、ヴィジャイが離れてからは、シャーダーロン・ブラフモー・サマージの指導者シヴァナートはラーマクリシュナの影響を避けるようになったために、この集団は神の実現よりも社会改革や慈善事業のほうに積極的に乗り出すようになり、霊性を失っていった。

 しかしともかくも、ブラフモー・サマージ、そしてそこから分かれたナヴァヴィダーン(新摂理)とシャーダーロン・ブラフモー・サマージは、ラーマクリシュナの驚嘆すべき霊性について研究し、またカルカッタの大衆をラーマクリシュナのもとに引き付けた最初の組織だったことは間違いなかった。ラーマクリシュナのもとに集まって救われた弟子や信者たちの多くが、何らかのかたちでこれらの組織の恩恵を受け、ラーマクリシュナのもとにやってきたのだ。

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