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モトゥルナート・ビスワスの生涯(13)

 シュリー・ラーマクリシュナがサマーディに入っていらっしゃるのを何度も見るにつけて、モトゥルはこの神秘的な現象についてもっと知りたいと切望するようになった。師は他者をサマーディの境地に引き入れる力をお持ちだとよく知っていたので、あるとき彼は自分にもそれを経験させてくれるように師に頼んだ。初めシュリー・ラーマクリシュナはこの切望を取り下げるように説得しようとしたが、モトゥルから繰り返し頼まれ、ついに、「ああ、そのことに関して母に頼んでおくよ。彼女が最も良いと思召すままになされるだろう」とおっしゃった。
 数日後、カルカッタの自宅にいるとき、モトゥルはバーヴァ・サマーディ(相対世界と絶対世界の間に心がある状態)を経験した。シュリー・ラーマクリシュナは何が起こったかを次のように説明なさった。

「彼はわたしを呼びに行かせた。わたしがそこに行くと、彼がすっかり変わっているのに気付いた――彼は以前と同一の人物ではなかった。神のことを話すときは常に、おびただしい涙を流した。彼の瞳は涙のために赤くなり、彼の心臓は激しく脈打っていた。わたしを見ると、彼は平伏してわたしの足を握り締めた。

『ババ、』

 彼は言った。

『わたしは余裕がありません――疲れ果てました! この状態で三日が過ぎました。どんなに一生懸命に試みても、世俗の出来事に心を合わせることができません。何もかもうまくいかないのです。どうかあなた様が与えてくださった恍惚境から戻してください。わたしはサマーディの境地を望みません。』

 わたしは笑って、手でモトゥルの肘をこすってやり、彼は再びもとの自分を取り戻した。」

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