パドマサンバヴァの秘密の教え（３０）「与えられないものを盗ること」

☆与えられないものを盗ること

　二つ目の物理的な悪業とは、与えられないものを盗ることである。つまり他人のものを自分のものにすることである。
　この悪業には、例えば白昼堂々と盗むような強盗の場合、気づかれないように忍び込んで盗む場合、例えば秤などをごまかす等、騙し取ることなどが含まれる。

　ツォギャルよ、欲望を捨てない人には幸福はないのだ。
　殺生と同様に、この盗みも四つの局面が完成したとき完璧となり、それは更に以下の三つの結果となる。

１．行為の完成の結果は、その行為の程度が大きいか、中程度か、あるいは小さな程度であるかによって、三つの低い領域に落ちる。
　特に、餓鬼に生まれる可能性が増すであろう。

２．例え人間として生まれても、財はほとんど無く、たくさんの盗みや強盗に遇うだろう。

３．この不健全な習性的傾向が集積されることにより、あなたは次の生でも、与えられないものを取ることを喜ぶであろう。

　ツォギャルよ、もしそのような行為を犯すことを止めれば、あなたは今述べた三つの結果とは反対の結果を得るだろう。すなわち神や人間に生まれる、多くの富を得るなどである。