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カル・リンポチェの生涯(9)

◎神秘的な助っ人

 カル・リンポチェがラマ・ノルブ・トンドゥプのあとに続いてツァドラ・リンチェンドラに属する施設の隠遁修行の師になったとき、彼はその施設の増築と改装を希望した。この計画は、すでにジャムグン・ロドゥ・タイェ、シトゥ・リンポチェ、そしてラマ・ノルブ・トンドゥプ自身によって計画されていた。しかし彼らはこの計画から身を引いていたのだった。なぜなら、大きな岩が新しい施設の建築の妨げとなっていたために、この取り組みは極めて困難だったからである。
 カル・リンポチェはそのとき、ツァドラ・リンチェンドラを管理していたシトゥ・リンポチェにこう言った。

「わたしは、あなたが隠遁所を大きくしたいと望んでおられることを知っています。わたしはこの仕事の責任を果たす心構えはできています。ただ必要な材料をご用意いただければ、わたしはこの作業を成し遂げましょう。」

「この仕事が成し遂げられるとは、到底思えませんね。」

と、シトゥ・リンポチェは答えた。

「いいえ、成し遂げられますよ。」

と、カル・リンポチェは断言した。

「それでは、どのようにしてそれを行なうというのですか?」

 シトゥ・リンポチェがそう尋ねると、カル・リンポチェは計画を打ち出した。そして今後の建築作業に関する詳細を策定し、この仕事を完全に成し遂げると約束をした。シトゥ・リンポチェや彼の顧問たちは、不可能だと思いながらも、カル・リンポチェの粘り強さに折れて、材料や必要な労働者たちを提供することに同意した。この計画を知った者たちは皆、カル・リンポチェがこの事業を到底成し遂げられるはずがないと思っていた。しかしカル・リンポチェは皆に、心配無用だと言った。彼は、「われわれならできる」と皆に保証した。

 労働者たちは、この努力は無駄に終わるだろうと思いながらも、熱心に働きはじめた。だが彼らは、神秘的な助っ人の恩恵を受けることになろうとは、知るよしもなかった。ほどなくしてすぐ、彼らが食事休憩から戻るたび、または朝、仕事を再開するたびに、自分たちが不在の間に仕事がいくらか進んでることに気付いた。こうして当初、達成不可能だと思われていたものが、ついに完成した。彼らは地面に、巨人と思われる桁外れな大きさの四人の足跡が残っていることに気がついた。しかし誰一人としてそのような者たちを見た者はおらず、皆が仰天した。

 しかしカル・リンポチェだけは、その謎を知っていた。彼はある夢を見たのだ。その夢の中で、鋤やつるはし、その他の建築作業に必要な道具を手にした、背の高い、たくましい男たちの集団がやってきた。

「あなた方はどこから来たのですか?」

とカル・リンポチェは尋ねた。

「われわれは『願いを達成する』という名の僧院からやってまいりました。
 あなたが非常に困難な仕事を成し遂げようとしていると耳にし、あなたを助けるためにここにやってきたのです。」

 そして彼らは自己紹介をした。

「わたしはチェートラパーラと申します。」

と彼らの内の一人が言った。

「そしてこの者たちはジナミトラ、タッキラージャ(愛染明王)、 そしてドゥゴン・ダクシェと申します。」

 この目に見えない労働者たちの援助のおかげで、新しい建物――隠遁修行者のための二十五の部屋、六臂のマハーカーラを祀った寺院、チャクラサンヴァラを祀った寺院、隠遁の師の住居、台所、ヨ―ガの道場などが建設されたのだった。

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