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「ナーグ・マハーシャヤ」(5)

 翌週、ナーグは、再びラーマクリシュナのもとを訪ねました。ナーグを見るなり、ラーマクリシュナはバーヴァ・サマーディの状態に入り、そしてナーグにこう言いました。

「喜ばしいことだ、わが子よ! あなたの霊的な進歩については、何一つ恐れることはない。あなたはすでに、非常に高い状態に到達している。」

 
 さらに後日、ナーグがラーマクリシュナのもとを訪ねると、ラーマクリシュナは言いました。
「さて、あなたは医者だ。私の足を診察してもらえないか?」

 ナーグはラーマクリシュナの足に触れてよく調べましたが、特に問題がないのでそう告げると、ラーマクリシュナは、もっとよく調べてみるように言いました。そこでナーグはさらによくラーマクリシュナの足に触れて、よく調べました。
 こうしてラーマクリシュナの足をさすっているうちに、ナーグはラーマクリシュナの愛に気づきました。。ナーグが初めてラーマクリシュナを訪ねたとき、ラーマクリシュナはナーグが自分の足に触れることを許さず、ナーグは「自分は聖者の足に触れるのにふさわしい人間ではないのだ」と、大変悲しい気持ちになっていたのです。しかしこの日、ラーマクリシュナは、足の治療という理由にかこつけて、ナーグが願っていた、師の御足に触れるという恩恵を、さりげなく授けられたのでした。師の恩寵を知り、ナーグの頬を涙が伝わりました。ナーグは長い間待ち望んでいた師の御足を、自分の頭と心臓の上に置いたのでした。グルと弟子の関係を知る魂に幸いあれ! ナーグはその瞬間、ラーマクリシュナが、人間の姿をした至高者そのものであることを確信しました。

 この件について、後にナーグは、こう言いました。
「シュリー・ラーマクリシュナを初めて訪問してから数日後、シュリー・ラーマクリシュナが、至高者の化身であることを知りました。師が、ドッキネッショルにおいて内緒でリーラー(神の遊戯)を行なっていたということを、師の恩寵を通して知ることができたのです。
 誰も、師の祝福なしで、師を理解することはできません。たとえ一千年にわたる厳格な苦行を行なっても、師が慈悲をお示しにならなければ、師を悟ることは不可能でしょう。」

 また他の日、ナーグがラーマクリシュナを訪ねると、ラーマクリシュナは食後の休息をとっているところでした。夏の非常に蒸し暑い日だったので、ラーマクリシュナは、ナーグに団扇であおいでくれるようにと言いました。ナーグがあおぐと、ラーマクリシュナはそのまま眠ってしまいました。
 ナーグは長時間あおぎ続け、すっかり手が疲れてしまいましたが、師の許可なしにやめることはできないと考え、さらにあおぎ続けました。手が非常に重くなり、もはや団扇を持ち続けることができなくなったそのとき、寝ていたと思ったラーマクリシュナがパッとナーグの手をつかみ、団扇を取りました。
 この件について、後にナーグはこう言いました。
「師の睡眠は普通の人々と違っていました。師は常に目覚めたままでいらっしゃることができました。神を除けば、いかなる求道者や成就者であっても、この状態に達することは不可能です。」

 あるときラーマクリシュナはナーグに、自分のことをどう思うかと尋ねました。ナーグはこう答えました。
「あなたの恩寵によって、私はあなたが神であることを知りました。」

 ナーグがこう言うと、ラーマクリシュナは深いサマーディに入り、自分の右足をナーグの胸の上に乗せました。
 するとその瞬間、ナーグは驚くべき光景を目にしました。彼は、生物であれ無生物であれ、そのすべてに浸透し、天地に溢れ出る神の光を見たのでした。

つづく

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