yoga school kailas

「ダーサカ」

ダーサカ

 ダーサカは、今から91カルパ前に、アジタという名の独覚に、マンゴーの実を供養した。彼はその功徳によって天界と人間界を輪廻して、世尊カッサパの時代に世尊のもとに出家して、解脱の基礎となるたくさんの功徳を積んだ。そして世尊釈迦牟尼の時代に、サーヴァッティの良家に生まれ、ダーサカと名付けられた。
 彼は、釈迦牟尼の偉大な在家信者だったアナータピンディカ長者にやとわれて、僧院を警備する仕事についた。そして僧院を警備しているうちに、しばしば世尊釈迦牟尼を目にし、また教えを聞くことによって、信が生じ、やがて出家した。

 しかしダーサカは出家したときから、怠惰な怠け者となり、厳しい修行に励むどころか、いかなる奉仕行や雑用も行わなかった。ただ食べたいだけ食べて、眠りを貪っていた。世尊の説法会のときも、隅に座って、ぐうぐういびきをかいて寝ていた。
 そこで世尊はダーサカに、次のような詩を唱えた。

「大食いをして、眠りを好み、転げまわって寝て、まどろんでいる愚鈍な人は、糧を食べて太る大きな豚のように、再び母胎に入る。」

 それを聞いてダーサカの心に恐れが生じ、一所懸命、修行に励むようになった。そしてほどなくしてアラハットの境地に到達した。

 そしてアラハットの境地に至った後、ダーサカは皆に、「世尊はこの詩をもって私を教戒し、それが私にとっての転機となった」と言い、その詩を唱えた。

「大食いをして、眠りを好み、転げまわって寝て、まどろんでいる愚鈍な人は、糧を食べて太る大きな豚のように、再び母胎に入る。」

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする