「シンガーラピタル」
シンガーラピタル
シンガーラピタルは、今から94カルパ前に、サタランシという名の独覚に、ターラの果実を供養した。その功徳によって幸福な世界だけに次々に転生し、世尊カッサパの時代に世尊のもとで出家して、修行に励んだ。
そして世尊釈迦牟尼の時代にサーヴァッティの良家に生まれ、成年に達すると結婚し、子供ができた。子供はシンガーラと名付けられ、彼はシンガーラピタル(シンガーラの父)と呼ばれるようになった。
後にシンガーラピタルは、世を捨て、世尊釈迦牟尼のもとで出家した。そしてヴェーサカーラ林の中に住みながら、骨を観想する瞑想修行に励んだ。
するとあるとき、ベーサカーラ林に住むある神が、次のような詩を唱えた。
「べーサカーラ林に、仏陀の跡継ぎである一人の修行者がいて、骨想によってこの全大地を覆うた。かれは、愛欲に対する執着を速やかに捨て去る、と、私は思います。」
これを聞いたシンガーラピタルは、「この神は私に勇猛心を起こさせて奮起させるために、このように言ったのだ」と考えて、より一層精進して瞑想し、ついにアラハットの境地に到達した。
アラハットの境地に到達したシンガーラピタルは、自分を励ます詩を唱えてくれた神に敬意を表そうとして、その同じ詩を唱えた。
「べーサカーラ林に、仏陀の跡継ぎである一人の修行者がいて、骨想によってこの全大地を覆うた。かれは、愛欲に対する執着を速やかに捨て去る、と、私は思います。」
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