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ラーダーアシュタミー

 今日はラーダーの誕生日、ラーダーアシュタミーです。

 ラーダーは、バクティヨーガにおいては重要な存在となります。バクティヨーガの最高のかたちである、神を愛人と見るバクティの象徴的存在です。
 もちろんここでいう愛人というのは、普通の恋愛ではありません。全くエゴを入れない、どころかすべてのエゴを犠牲にした、強力な、純粋化された恋愛のような思いを、ただ神だけに向けるのです。
 そのような愛をクリシュナに向けたゴーピーたちは、表面的には田舎の普通の女性たちでしたが、実際は偉大な神々や聖者の生まれ変わりであったといわれます。その中心にいたのがラーダーです。
 ただ、ラーダーは神々や聖者の生まれ変わりというよりも、シーターやルクミニーなどと同じように、母なる神、つまり宇宙の母なるシャクティそのものであったといわれます。

 このラーダーの強烈な神への愛を理想として、チャイタニヤやラーマクリシュナなどの聖者は、ラーダーになり切った気持ちで、狂ったように神を求め続けました。

 ラーダーやゴーピーたちは、クリシュナの少年期や青年期、ずっとヴリンダーヴァンで一緒に至福の時を過ごしましたが、あるときクリシュナは遠い地へと旅立ってしまいます。クリシュナは「僕は必ずまた戻ってくるから」と彼女たちに言いますが、実際はクリシュナは二度とヴリンダーヴァンに戻ることはありませんでした。ラーダーとゴーピーたちは、クリシュナへの強烈な愛を心に植え付けられ、かつ「必ず戻ってくる」という曖昧な約束をクリシュナにされたことで、その後の生涯ずっと、クリシュナへの狂わんばかりの強烈な思慕に心を奪われた状態で一生を送りました。そしてそれこそが、クリシュナが彼女たちに与えた最高の恩寵であったといわれます。

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