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「悟りの経験の三つの要素」②

◎悟りに至る方法の要素

 悟りに至る方法の要素に関しては、
 眠気、怠惰、興奮、心の退縮、疑念といった五つの害を捨てて、
 そして適切に、正観と寂止の合一を生じさせるのです。

 眠気と怠惰は、完全に寂止を覆い隠します。
 興奮と心の退縮は、正観を乱します
 そして疑念は心を困惑させ、瞑想の障害となります。

 さらにそれらの五つは、心の退縮と興奮にまとめられるでしょう。
 心の退縮が生じたなら、何か心を鼓舞するようなことを考えてください。
 そして興奮が生じたなら、心に集中してみてください。

 寂止なしの正観は、論争に我を忘れます。
 正観なしの寂止は、味気のないものになります。

 それらの合一は最上の道であり、もろもろの障害への対治となります。

①寂止

 寂止は、身口意が静まったときに生じます。
 それは、すべてのものが一様である領域の中での、
 主体・客体の相互関係の表象的な思考の完全な停止が、主な特徴です。

 実際に寂止を得るには、まずはある対象に対して集中をし続けなければなりません。

 ここには、二つの側面があります。
 一つは、見かけの対象と関与し、もう一つは、関与しません。
 同様に、外側と内側の側面もあります。
 心を制することすべてを通して、この四つの側面があるのです。

 見かけの対象と関与するやり方は、形状や音などの五感の対象に集中します。
 
 見かけの対象と関与しないやり方は、分別的な概念がない領域に集中します。

 外側の対象は、石、木、仏象など、何でも外側にあるものです。

 内側の対象は、ヴァイブレーション、チャクラなどです。

 これらのどれかひとつに意識的に集中し続けることによって心を落ち着かせることは、
 寂止を実現するための方法なのです。

 十分に集中することによって、寂止が生じるとき、
 純粋な意識によって、さらにそれを拡大し、持続させ、安定させられなければなりません。

 さらに、この寂止から十分な利益を引き出し、
 日常のすべての立ち居振る舞いの中にも、その寂止の状態を反映させることが必須です。

 あなたがこの寂止を経験しだしたら、
 あなたは、身体と心の軽快さ・柔軟性・なめらかさが増大するように、注意を払わなくてはなりません。

 それによって寂止は、速やかに達成されるでしょう。

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