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要約・ラーマクリシュナの生涯(33)「弟子たちへの様々な指導」(6)

◎バララーム・ボース
 

 ヴィシュヌ神を深く信仰していたバララーム・ボースは、カルカッタのバグバジャルにあるヴィシュヌ派の家庭に生まれた。家住者でありながら、世間に執着はなかった。莫大な富を持ちながら、高慢であったことはなかった。ラーマクリシュナのもとにやって来る前から、毎朝4、5時間を修行や聖典の研究にあてていた。不殺生を心掛け、どんな理由があっても、小さな虫さえも傷つけることがなかった。
 ラーマクリシュナは、バララーム・ボースを、初対面からまるで長年の知り合いのように暖かく迎え入れた。

「バララームはチャイタニヤの仲間のひとりだった。この場所に属するのだよ。私は法悦状態のとき、チャイタニヤがアドワイタやニティヤーナンダたちと一緒にキールタンを歌いながら、神聖な愛の洪水で大勢に霊性を吹き込むのを見た。バララームはその素晴らしいキールタンの一行の中にいたのだよ。」

 ラーマクリシュナに出会ってからバララームの心は大きく変化し、修行において急速な進歩を遂げた。形式的な礼拝の段階を超え、完全に神のみをよりどころとして、実在と非実在を識別しながら世間に暮らせるようになった。ついには彼は妻、息子、身内、富、そして自分が所有するすべてを神にささげ、神の召使いとして暮らし、多くの時間を師ラーマクリシュナとの神聖な交わりに過ごそうとするようになった。
 またバララームは、自分だけではなく、身内や友人たちも師ラーマクリシュナと縁ができるようにと、便宜を図った。こうしてバララームのおかげで、多くの人々がラーマクリシュナの信者となる恩恵を受けたのだった。

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