yoga school kailas

山のダルマ(30)

 この道は非常に深遠であるがゆえに、障害が生じる。――とはいえ、成長をするにはリスクが付きものなのである。幾多の過去生で積み重ねてきた悪しきカルマ(性向)はすべて、グルが与える教え(戒律)によって増大し、悪魔のような被害妄想的錯覚(マーラの罠)として外界に顕現する。聖なるリトリートの地で、神々と悪魔が姿を現わし、あなたの名を呼ぶかもしれない。そいつらはあなたの「グル」として現われ、偽物の預言めいた指示を出す可能性もある。さまざまな被害妄想的幻影がヴィジョンや夢の中で現われることもあるだろう。普通に現実的に、殴られたり、切られたり、罵られたり、盗まれたりするなど、予測不能な苦痛を味わう可能性もある。はっきりとした理由がなにもないのに、激しい不安の発作に襲われ、震えが止まらず、こらえ切れずに泣いてしまうこともあるだろう。激しい感情に支配されて、信仰、求道心、慈悲を失ってしまう可能性もある。被害妄想的な思考が生じると、あなたは正気を失い、優しい言葉を誤解してしまう。あなたは自分の課された隠遁修行をひどく不快に感じ、そこから逃げたし、自分の善なる目的を放棄したくなる。あなたはグルに程度の低い意見を提案するようになり、知らず知らずのうちに自分の道に対して疑念が生じてくる。いつの間にかあなたはぬれ衣を着せられ、悪い評判が広まり、仲の良い友人があなたに敵対しているという状況になっているかもしれない。「現象的に」そして「意識内で」、起こって欲しくないようなことがすべて起こってしまうだろう。これらの状況は魂の危機である。それらの状況をそのように認識しなさい。それらの状況は運命を左右する。研ぎ澄まされた鋭い方法でそれらに対応できれば、それらは力と悟りの源となる。しかしもしそれらに支配されてしまったら、それは悪魔の障害となるのである。

 後者の場合は、純粋なサマヤと不屈の揺るぎない信仰心と共に、心をグルに明け渡し、グルが全智であると確信しながら、熱心にグルに祈りなさい。このような逆境を、極めて価値があるものととらえなさい。そして激しい懇願を修行に結び付ければ、遅かれ早かれ、逆境の強力な影響力は確実に崩れ去って、あなたの修行は進歩し、現象は霧のように見えてくるようになり、あなたはグルの指示に対する信を獲得するだろう。そして次にそのような危機的状況が生じても、あなたは自信をもって、それらを温かく歓迎するだろう。それが逆境解決の核心である。困難な状況を「道」とすることで、逆境は解決されるのである。素晴らしいことだ! それこそ、われわれ老いぼれが知りたいことだ! 尻を震わせながら人間の死体に忍び寄るジャッカルのようであってはならない! 強い心を持て!

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