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モトゥルナート・ビスワスの生涯(終)

 十四年間、モトゥルは影のようにシュリー・ラーマクリシュナと共に行動し、その結果、彼の人生に素晴らしい変容が訪れた。彼の慢心と、富と教養に対するプライドは、師の霊的な影響力によって、ゆっくりと彼から離れ去った。シュリー・ラーマクリシュナに対する彼の深い愛と敬意は、徐々にその心を高い境地へと運んで行った。

 あるとき、モトゥルに大きな膿瘍ができ、彼は長い間カルカッタの住居に寝たきりになった。彼は必死に師にお会いすることを望んだが、シュリー・ラーマクリシュナは来られなかった。師はモトゥルの使者に、自分は膿瘍を治癒する力を持っていないので、訪問しても何の役にも立たないだろうとお話しになった。モトゥルからの度重なる懇願の後、ようやく師はおいでになった。モトゥルは師の姿を見るとこう言った。

「ババ、あなた様の御足の塵を少しばかりお与えください。」

シュリー・ラーマクリシュナ「それが何の役に立つんだい? 足の塵がおまえの膿瘍を治すのかい?」

モトゥル「ババ、わたしはそれほど卑しいのでしょうか? あなた様は、わたしが膿瘍の治療のために、あなた様の御足の塵を欲しがっているとお思いですか? 医者はその目的のために存在します。わたしはマーヤーの大海を渡るために、あなた様の御足の塵を欲しているのです。」

 これをお聞きになって、シュリー・ラーマクリシュナはサマーディに没入なさった。モトゥルはそのとき、自分の頭を師の御足に上に置き、恩寵を受けたのだった。彼はその少し後に回復した。

 ある日、恍惚境にいらっしゃるとき、シュリー・ラーマクリシュナはモトゥルにこうおっしゃった。

「おまえが生きている間は、わたしはドッキネッショルにいることにするよ。」

 モトゥルはこれを聞いてびっくりした。彼は謙虚に申し上げた。

「ババ、どうしてそのようなことをおっしゃるのですか? わたしの妻と息子のドワーラカーもあなた様を大変信仰しております。」

「よろしい。」

 師はおっしゃった。

「おまえの妻とドワーラカーが生きている限り、わたしはここに留まることにしよう。」

 そして実際に、彼らはシュリー・ラーマクリシュナがドッキネッショルを去ることになった一八八五年に亡くなったのである。

 シュリー・ラーマクリシュナの聖なるリーラーにおけるモトゥルの役割が終わりを告げるときがやってきた。一八七一年七月一四日、彼は短期間病気にかかった後、腸チフス性の熱がもとで亡くなった。彼が病気の間、シュリー・ラーマクリシュナは彼に会いに行かなかったが、最後の日を除いて毎日、フリダイをお遣わせになった。彼が亡くなった当日、モトゥルの遺体は南カルカッタの聖地カーリーガートへ運ばれた。
 その日、シュリー・ラーマクリシュナは自室で二、三時間の間深いサマーディに没入なさり、魂を抜け出させて、モトゥルが目的に到達するのを手助けなさった。午後五時、シュリー・ラーマクリシュナはサマーディからお戻りになり、フリダイにおっしゃった。

「母なる神の侍女たちが愛情と気遣いをもってモトゥルを天界の馬車に乗せ、彼の魂は母の世界(デーヴィーローカ)へ飛翔したよ。」

 その夜遅く、モトゥルがまさに午後五時に亡くなったという報せがドッキネッショルに届いた。

 師に対するモトゥルの奉仕は、今や伝説に残るほどのものである。後年、シュリー・ラーマクリシュナは、彼について飽きることなく信者にお話しになった。あるとき、信者の一人が師に尋ねた。

「師よ。死後、モトゥルはどうなったのですか? まさか彼がまた生まれるということはありませんよね?」

 師はこうお答えになった。

「おそらく彼はどこかの地で王として生まれた。彼はまだ楽しみへの欲望を持っていたのだ。」

 その後、師は話題を変えられた。

 しかし、死後自分がどうなろうと、モトゥルは疑うことなく真心を込めて師を愛し、師に奉仕した。何より、彼は師が何者であるか悟ったのだ。あるとき彼はシュリー・ラーマクリシュナにこう言った。

「ババ、あなた様の内には神以外、何も存在しておりません。」

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