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プラーナーヤーマ

第二章 プラーナーヤーマ

 ヨーギーは、健全食をほどほどにとり、グルに教えられた方法に従って、プラーナーヤーマを修練すべきである。

 気(プラーナ)が動くと心も動く。気が動かなければ心も動かなくなる。
 ヨーギーは、不動心に達しなければならない。だから、気の動きを制止すべきである。

 気道(ナーディー)に汚物が詰まっていると、気は体の中央を通ずるスシュムナー管を流れない。そのような場合に、どうしてサマーディが起こりえよう。また、どうして修行目的の達成がありえよう。

 汚物でいっぱいの気道組織のすべてが清掃されたときに初めて、気の蓄積に耐えうるヨーギーが生まれる。

 それだから、中央のスシュムナー気道の中にある汚物がきれいになくなるように、絶えずサットヴァ性の叡智をもって、プラーナーヤーマをなすべきである。

 ヨーギーは、パドマ・アーサナ(蓮華座)を組み、左鼻から月の気道を通じて気を体内に取り入れ、それを自己の力に応じて体内に保持した後、日の気道を通じて右鼻から吐くべし。
 次に、右鼻から日の気道によって気を取り入れ、ゆっくりと体内に満たすべし。そしてしばらくクンバカ(保息)した後、月の気道によって左鼻から吐き出すべし。
 このような仕方で、不断にプラーナーヤーマの修習を続けていくならば、ヨーギーの気道組織は三ヶ月にして汚れのないものになるであろう。

 朝、昼、夕方、夜中の四つの時間帯にプラーナーヤーマを修習し、毎時間ごとのクンバカの回数を日を追って少しずつ増していき、しまいには80回ずつに達すべし。

 プラーナーヤーマの初期においては発汗し、中級の段階においては戦りつが生じ、上級の段階においては不動の状態に達する。それゆえに、プラーナーヤーマを修習し続けなければならない。

 プラーナーヤーマの修練によって生じた汗でもって身体を摩擦するがよい。これによって身体に強健と軽快さとが生じる。

 実習の初歩の段階では、牛乳とバターを加えた食物が適している。その後、修練が確固たるものになったあかつきには、かかる規則を守る必要はない。

 ライオンや象やトラのごとき猛獣でも、徐々にならすことができるように、気も修練を続けていけば、しまいにはコントロールすることができるようになる。さもなくて、にわかに抑制しようとすると、かえって修行者を害することになる。

 プラーナーヤーマを正しく行じていくならば、一切の病がなくなるであろう。しかし修練の仕方を誤ると、かえってあらゆる病が生ずる。

 間違った仕方でプラーナーヤーマをすると、気が興奮する結果、しゃっくり、喘息、咳、および頭・耳・眼の痛みなど、いろいろな病気が発生する。

 それゆえ、あくまでも正しい仕方で気を吐き、あくまでも正しい仕方で気を満たし、あくまでも正しい仕方で気を保留しなければならない。かくして、ハタ・ヨーガの目的を達成することができるのである。

 プラーナーヤーマの修習によって気道が清掃されたあかつきには、体がスマートになり、血色がよくなるなどの外部的な兆候が現われるであろう。

 また、気道が清掃すると、気を好きなだけ静止しておくことができ、腹の火が盛んに燃え、ナーダ音がはっきりと聞こえ、無病息災になる。

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