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パドマサンバヴァの秘密の教え(26)「それを受けるための儀式」

⑥それを受けるための儀式

「ボーディチッタの誓願を立てる儀式は次のようにする。
 吉祥なる年と月を選び、月の満ちていく十五日目か八日目に、三宝の前にたくさんの供物を並べ、サンガに恭敬する。イダムにガナチャクラを捧げる。ダーキニー、ダルマパーラ、精霊たちに、捧げ物をたくさん並べなさい。あなたの所有物のすべてを布施し、多くの功徳を集めなさい。

 その日の夜、イニシエーションの謝礼を師に捧げなさい。師に対して敬意を持ち、三宝に帰依する七つの支分によって、功徳の堆積を集めなくてはならない。

 特に、以下のようにして懺悔をしなくてはならない。
 頭頂にア字を観想し、そこから放射される光によって、すべての衆生を仏陀の悟りの中に置き、そしてすべての仏陀に対して捧げ物をしなさい。
 ア字に光が収斂するとき、すべての仏陀の成就の甘露を吸収しなさい。それはあなたの身体、言葉、心に溶け込み、あなたのすべての過ちと障害は焼き尽くされる。
 以上のことをイメージして、「アー」を108回唱えなさい。

 師の心臓の中心にある智慧の神髄のフーム字から放たれる光が、あなたの身体、言葉、心に溶け込み、それによってすべての過った行いが焼き尽くされるとイメージしなさい。
 そのようにイメージしながら「フーム」を108回唱えなさい。

 それから声に出して懺悔をしなさい。
 無始の過去から蓄積された過った行いのすべてを思い出し、悔恨をこめて、以下の詞章を三回声に出して唱えなさい。

『ヴァジュラのグルと、すべてのヴィディヤーダラたちよ、私の言葉に耳をお傾けください!
 平和と憤怒の姿をしたイダムの集まりよ、私の言葉に耳をお傾けください!
 息子達を伴った十方の勝者方よ、私の言葉に耳をお傾けください!
 ダルマパーラたちと共に教えを守護する母なるダーキニー方よ、私の言葉に耳をお傾けください!
 私○○は、無始の過去から今日この日に至るまで、間違った考えに支配され、身・口・意において、不徳な行為・間違った行為を行い、他人をして悪しき行為に向かわせ、それに喜びを起こす罪を積み重ねてきました。
 深い尊敬に値するこれらの方々の御前で、これらすべての悪しき行為を、悔恨の念をこめて告白します。』 

 そのようにして懺悔を行い、そしてこれよりさらなる誤った行いをしないことを決意しなさい。
 以上の懺悔を繰り返し、最後に以下の詞章を3回唱えなさい。

『如来方と如来の御子たちが、道とステージの完璧な実例により、悪しき行いと間違った行いを退けたように、私○○は、今この瞬間より、覚醒の真髄に至るまで、間違った思いから来る悪しき行為を退けます。私はそれらをやめることをここに誓います。』」

◎ボーディチッタの実際の生起

「これには二つの部分がある。一つ目は、初心者が大志のボーディチッタを生起させることである。
 弟子は彼の心の中心から、次のような誠実な心構えを生起させなくてはならない。

『輪廻のすべての衆生を苦悩の海から救うために、私は至高の悟りを得よう!』

 上記の誓願を繰り返し、最後に以下のことを三回唱えなくてはならない。

『すべての衆生を自分の父、母、兄弟姉妹、息子や娘、あるいは自分の師、法友であるとみなす心構えをもって、今日この日から覚醒の精髄に至るまで、私○○は、解放されていないすべての衆生を解放するという堅固な意志を起こします。
 私は、いまだ解脱していない衆生を解脱させます。
 私は、いまだ安らいでいない衆生の苦悩を和らげます。 
 そして苦悩の海を越えたことのないすべての衆生を、無住処ニルヴァーナの境地に安住させます。』

 二つ目は、ボーディチッタを実際に生起させるために、次のような心構えを形成しなさい。

『まさに今この瞬間から、輪廻がある限り、一瞬たりとも道を逸れることなく、様々な方法で衆生の幸福を達成します。』

 上記の誓願を繰り返し、最後に以下のことを三回唱えなくてはならない。

『今この瞬間から輪廻が終わるまで、私○○は、段階的に訓練すること、実践すること、六つのパーラミターと四摂事を完成するという堅固な意志を生起させ続けます。
 過去の仏陀方とすべての菩薩方が、道とステージの完全な生き方の実例を実践して、根本と支分の誓いを授けられたそのように、私も訓練し、実践し、それらを完璧にします。どうか私を菩薩とみなして下さい。』

 それから師は言う。
『そうであれ! そして弟子よ、それが善だ! それが価値あることだ!』
 
 師が上記のことを三回唱えた後に、その弟子は誓いを得る。

 その瞬間から、その誓いを破らずに保つために、師は教えを通して弟子を導かなくてはならない。弟子は贈り物を捧げ、感謝の気持ちとしてたくさんの供物を捧げなくてはならない。

 その瞬間から、ボーディチッタを生起させることにおいて、途切れることなく流れ続ける川のごとく、不断の努力を全力で尽くすことが最も大切なこととなる。」

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