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パトゥル・リンポチェの生涯(2)

 パトゥルはスートラとタントラの教えを、ドラ・ジグメ・ケルサン、ジグメ・ンゴツァル、ギャルセー・シェンペン・タイェ、ソナム・パルゲ、ならびにシェチェン・トゥトプ・ナムギャルら多くの教師から学びました。ゾクチェン僧院のセントゥク・ぺマ・タシは、彼を僧侶に任命しました。

 しかし、彼の根本グルはジグメ・ギャルウェ・ニュクとド・キェンツェーでした。ジグメ・ギャルウェ・ニュクのもとで、彼はンゴンド(準備修行)からツァルンとゾクチェンの教えまで学びました。ギャルウェ・ニュクから、彼はロンチェン・ニンティク・ンゴンドの教えを25回受け、同様にそれらの修行を数多く行いました。後年、彼はンゴンドに関するグルの言葉を有名な経典、クンサン・ラマ・シャルン(クンサン・ラマの教え、サマンタバドラ・ラマの口頭の言葉)として書き下ろしました。

 あるとき、秘伝の修行を行いながら放浪していたド・キェンツェーは、突然、パトゥルの幕営所の外に現れました。ド・キェンツェーは「おお、パルゲよ! もし勇気があるなら、出てきなさい!」と叫びました。パトゥルが礼儀正しく姿を見せたとき、ド・キェンツェーは彼の髪の毛をつかんで地面に投げ倒し、引きずり回しました。すぐさまパトゥルはド・キェンツェーの息にアルコールの匂いを感じ、こう思いました。

「ブッダは飲酒の危険性を詳しく説いているが、彼のような偉大な成就者でさえ、このように酔ってしまうのか。」

 その瞬間、ド・キェンツェーはパトゥルを手から放し、こう叫びました。

「ああ、お前のような知的な者たちは、そのような悪しき見解を持つのだ! この老犬め!」

 ド・キェンツェーは彼の顔を軽く叩き、小指で侮蔑のポーズを示し、そして立ち去りました。
 パトゥルは、

「おお、私は迷妄であった。彼は秘伝の修行を行なって、私を覚醒の本性へと導いてくれたのだ。」

と理解しました。
 パトゥルは、二つの相反する感情――自分の否定的な考えに対するショックと、ド・キェンツェーの千里眼に対する驚嘆――によって引き裂かれました。彼は立ち上がり、すぐさま彼の心の中の悟りの本性を瞑想すると、透明で、空のような、開放的で、生来的な意識が彼の内に覚醒しました。その結果、日の出のような明瞭で完全な悟りが彼の内に目覚めました。それはギャルウェ・ニュクの指導のもとで経験した夜明けのような悟りとは、また違ったものでした。それ以来、彼はその“老犬”という言葉を、秘伝的、あるいは神聖な名称として冗談交じりに使い続けました。

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