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ハリダース・タクル(8)

◎ハリの御名の力

 ハリダースは、ハリの御名を広める上での、マハープラブの最も重要な媒体でした。
 彼の重要性を高めるために、マハープラブはあるとき、シュリー・ヴァッラバーチャーリヤにこう言いました。

「わたしは、ハリの御名の重要性をハリダースから学んだ。」

 また、ハリダースを通してハリの御名の重要性を広めるために、彼はあるときこう言いました。

「ハリダースよ! わたしは、ブラーフマナや牛を殺して大罪を犯しているイスラム教徒たちが非常に心配なのだが。
 彼らはいかにして救われるのだろうか、教えておくれ。」

 ハリダースは、にこやかにほほ笑んでこう言いました。

「主よ! 彼らについては心配はいりません。
 なぜならば、彼らは何かに反感を抱くときや、動物を殺すときに、”ハラム、ハラム!”と言います。
 彼らは知らぬ間に、救済の道を開く”ラーム”という言葉を唱えているのです。
 アジャミールは死の際、自分の息子の名を”ナーラーヤナ!”と叫びました。
 ナーラーヤナは主の御名でありますから、彼は解脱を得たのです。」

 マハープラブは再び言いました。

「ハリダースよ! イスラム教徒の他にも、生命を持ち、また持たない多くの存在がある。
 彼らはいかにして救済されるのか?」

 ハリダースは合唱して、こう言いました。

「主よ、あなたはヴァースデーヴァ・ダッタが祈った、すべての存在の救済の祈りをお聞き届けになりました。
 あなたは熱烈にキールタンを歌って、彼らを救済しておられます。
 生命を持つ存在はキールタンを聞くことによって救済され、生命を持たない存在はキールタンを反響させることによって救済されるのです。
 反響はただの反響ではありません。生命を持たない存在がキールタンを歌っているのです。」

 マハープラブはこれを聞いて非常に喜び、ハリダースを心から抱擁したのでした。

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