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パトゥル・リンポチェの生涯と教え(36)

◎パトゥル、召使いとして振舞う

 あるときパトゥルは、パルゲ・マニ壁の周りを回るために、ダチュカに帰郷した。ダチュカに着くと、パトゥルは住処を求めて、その壁の近くにあったテントに向かった。そこには目の見えない老婆が住んでおり、パトゥルの滞在を歓迎してくれた。パトゥルはそこで生活していくために、その老婆の召使いとして奉仕し、働いた。毎日、老婆にお茶を入れたり、簡易トイレを掃除したり、必要なことは何でも行ない、忠実に老婆に奉仕して、老婆のために働いたのだった。

 毎日、その老婆は声に出して祈りを唱え、ダチュカで最も名高いラマ、パトゥル・リンポチェに懇願して、こう言っていた。

「ああ、パトゥルよ! そのお慈悲で、どうか私のことを想ってください!」

 毎日、パトゥルは盲目の老婆の召使いとして一生懸命働いた。そして毎日、仕事が終わると、パルゲ・マニ壁の周りを回りに行き、瞑想修行を行なった。

 このようにして、一か月が過ぎていった。

 ある日、パトゥルの弟子たちの何人かがマニ壁に立ち寄ると、パトゥルがその周りを回っていることに気づき、彼に五体投地をし始めた。
 老婆は近くに座っていた。彼女は何が起こっているかは見えなかったが、彼らが言っていることを聞くことはできた。なんと、彼らは彼女の召使いを「パトゥル・リンポチェ」と呼んでいるではないか!
 自分の召使いの真の正体を知り、老婆は困惑した。そしてもちろんパトゥルにはもう、今までやっていたことを続けることを許すことはなかった。
 これに対して、パトゥルは弟子たちを厳しく叱って、こう言った。

「お前たちの考えなしのおしゃべりが、この盲目の貧しい女性に最悪の害を与えたのだぞ! 彼女は良い召使いを失ってしまった。全部お前たちのせいだ!」

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