yoga school kailas

バンデー

 「バンデー」とは「財宝の神を保有する者」という意味です。彼はシュラーヴァスティを故国とし、生業として肖像画を描き、師はクリシュナーチャーリンでした。

 あるとき、空中にとどまっていると、バンデーは、僧衣をまとった聖なるアルハットが、光と威厳を放ちながら、天空を歩いて行くのを見ました。そのアルハットは光を放ち、威厳に満ちていました。バンデーは驚き、ヴィシュヴァカルマンに問いました。

「有徳な方よ、あんなふうにして空を歩く、あのすごい人は誰なのですか?」

 ヴィシュヴァカルマンは答えて言いました。

「この方は、けがれを捨て去った聖なるアルハットです。」

 バンデーは、遅れをとるまいと奮起し、南のジャンブ州に戻りました。師クリシュナーチャーリンにダルマを懇願し、グヒャサマージャのイニシエーションを授けられ、ヨーガ的な守護の方法として、四無量心に関する教示を受けました。

 バンデーは、慈悲の心による見解、喜び(称賛)の心による瞑想、慈愛の心による行為、捨の心による果報を生じさせ、迷妄や誤った見解といったすべての毒を清め、マハームドラーの成就を獲得し、四方八方にヨーギー・バンデーの名をとどろかせました。

「あなたは何をしたのか?」

 ヴィシュヴァカルマンに問われると、バンデーはこう答えました。

 認識のない見解と、
 途絶えることのない瞑想、
 父と母のような行為と、
 そして、空(そら)のような結果。
 私はこの四つを、区別なく明瞭に見た。
 事象を誤って評価して、どうして成功するでしょう?
 見なさい、グルは大いにすばらしきかな。
 賢者は、グルを常によりどころとしなさい。

 バンデーはシュラーヴァスティなどの六つの大きな町で、四百年間、生ある者たちに、思慮の及ばない利益をなした後、四百人の信奉者を伴って、その身のままで、ダーカの世界に行きました。

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