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ド・キェンツェー・イェシェー・ドルジェの生涯(1)

ド・キェンツェー・イェシェー・ドルジェ《Do Khyentse Yeshe Dorje》
    (1800年~1866年)

 ド・キェンツェー・イェシェー・ドルジェ《Do Khyentse Yeshe Dorje》は、ジグメ・リンパと同じ魂を持つ転生者でした。彼は覚醒した心が持つ力を驚くべき奇跡の形で人びとに露わにしてみせ、この点において、彼は過去の多くの時代を通じて、チベットのタントラ的な仏教の最も偉大な成就者の一人でした。

 彼は人ではない者を父として、いくつもの奇跡的なしるしを伴って生まれ、幼児期から言葉を話し、力を見せ始め、純粋なヴィジョンの中で覚者や師たちから祝福や教えを受け取り、数多くの隠された物や教えをテルとして発見し、数多くの弟子たちを覚醒させ、深遠なダルマを倦むことなく広め、数多くの人や人でない者たちをダルマへと導きました。彼は人ではない者による守護と導きのもと、清らかな世界を訪ねるために数日間身体とともに消えたり、数日間心ととも清らかな世界を旅したり、多くの死んだり殺されたりした生き物たちを生き返らせたり、また、まるでそれが泥であるかのように数多くの岩の上に彼の身体の跡を残したりしました。

 ド・キェンツェー《Do Khyentse》は、イェシェー・ドルジェ《Yeshe Dorje》、リクジン・ジャル・ドルジェ《Rigdzin Jalu Dorje》、ならびにタクトゥン・レキ・パウォ《Trakthung Lekyi Pawo》という名前でも知られていました。彼はゴロク族《Golok》の中で生まれ、そこに属していましたが、人生の後半のほとんどをタルツェド《Tartsedo》(現在のカンディン《Kanding》)で過ごしたので、彼はドのキェンツェーとして知られていました。キェンツェーとは“全智と慈悲を持つ者”という意味を表わし、それはジグメ・リンパ、つまりド・キェンツェーの前の転生者の呼び名の一つでした。

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