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スワミ・トゥリヤーナンダの書簡集(47)

 親愛なるサチンへ

 あなたの手紙を受け取って、喜んでいます。そのような渇仰がけっしてあなたから消えませんように。すべての人がこの人生を向上させ、心の純粋性を培うために大いなる熱意を持つべきです。このように人は神への信仰を獲得し、彼の生命は祝福されたものになるのです。わたしはあなたがそのような渇仰を持っていると知って喜んでいます。師があなたに強さをお与えになりますように――それがわたしの熱烈な願いです。

 感覚を制御することは非常に難しいことですが、他に方法はありません。あなたはまずどの感覚器官を制御すべきかと尋ねていましたね。これに関して、クリシュナはギーターの中でこうおっしゃっています。

「肉体のあらゆる感覚を制御し、意識を至高者である私に集中せよ。こうして己の感覚を完全に制御できたとき、真理の智慧は不動のものとなる。」[第二章.六十一節] 

 マヌはこうおっしゃっています。

「もし制御できない感覚がたった一つでもあるなら、あらゆる智慧は、ちょうど水漏れする瓶から水が滴るように、人から離れるのだ。」[マヌ・サンヒター、第二章.九十九節] 

 したがって、あらゆる感覚が制御下に置かれるべきなのです。あらゆる感覚が乱れているなら、間違いなく舌と性的な器官が優先すべきものです。そのことはバーガヴァタの中で述べられています。

「たとえ人が他のあらゆる感覚を支配したとしても、彼が舌を支配するまでは、感覚の征服者とは呼ばれないのだ。もし舌が征服されたなら、他のあらゆる感覚は征服したも同然である。」[ⅩⅠ.八.二十一] 

 したがって、舌の制御が第一になすべきことです。しかし、主は別の観点からこうおっしゃっています。

「禁欲することによって、確かに快楽の経験はなくなるだろうが、それを求める気持ちは依然として残るだろう。しかし、至高者を見ることで、その気持ちすら消えてしまうのだ。」[第二章.五十九節]

 われわれの師はよくこうおっしゃっていました。

「氷砂糖から作ったシロップを味わった者は、糖蜜から作った飲み物をつまらないものと見なす。」

 言い換えるなら、もし人が神への愛を培ったなら、人間の愛を欲しいとは思いません。
 人は神への愛を持つべきであり、そのとき、感覚的な対象は不快なものとなるでしょう。
 「あなたが東に向かえば向かうほど、西から遠ざかる」ように、あなたが主へと向かえば向かうほど、感覚の魅力から離れるでしょう。人はそれらを取り除くために何か特別なことをする必要はありません。それが秘訣です。最も大切なことは、神を礼拝することです。もしあなたがそうするなら、舌やその他の感覚を制御するしようと懸命に努力する必要はないでしょう。――それらは自然と制御されます。

 神を礼拝することは、心、魂、そしてすべてを彼に捧げることを意味しています。そのとき彼は最も親しい人となり、そして人の渇仰はすべて彼に向けられるでしょう。
 もし人が、神にお会いしたい、彼を愛したいと泣くならば、神はその人のハートに信仰をお授けになります。彼の恩寵が必要であり、それなしには何も達成されません。

 しかし、師はよくこうおっしゃっていました。

「もし人が神に一歩近づくなら、神は彼に百歩近づいてくださるのだ。彼はとても慈悲深いお方なのだ。」

 これはわれわれにとっての消えることのない希望です。

 主をあなたの心と魂で愛そうとしてください。そのとき、あなたは彼がどんなに慈悲深いか分かるでしょう。あなたが何を食べようと、着ようと、大した問題ではありません。小さな欲望を満足させることには大した害はありません。しかし、それられは識別とともに行なわれるべきです。あなたが神以外の他の何ものにも引きつけられないよう、注意深く見なければなりません。
 聖なる友、神について書かれた聖なる本を読むこと、そして悪友を避けること――信仰を培うには、これらが必要となります。このようにして、主に向かって進もうとしてください。そのとき、恐れは全くありません。主に帰依した人は、心配や問題から解放されるのです。

 クリシュナはギーターの中でこうおっしゃっています。

「そうすれば、至高主の恵みにより、君は必ず永遠にシャーンティなるすばらしい至福の世界に住めるようになる。」[第十八章.六十二節] 

 これ以上何を書きましょうか? 彼にのみ帰依してください。そうすれば、あなたは途切れることのない至福に至るでしょう。

                           愛と最高の願いを込めて
                           トゥリヤーナンダ

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