ゴーラープ・マーの生涯(2)
師との感動的な出会い以来、ゴーラープ・マーは頻繁にラーマクリシュナを訪ねるようになりました。
1885年6月13日、ゴーラープ・マーがドッキネッショルに到着したとき、ラーマクリシュナは数人の信者たちと話をしていました。彼女は北側のドアに静かに立って、中の様子を聞いていました。師はゴーラープ・マーに気付き、人間の悲しみについて話し始めました。若くして死別した彼の友人のラム・マリックについて、こう言いました。
「ラムは子供がいないと言っていた。彼は甥っ子を育てていたが、その子は死んでしまったんだと、彼はわたしに目に涙をいっぱい溜めてため息まじりに話してくれた。彼はその甥っ子のことで悲しみに打ちひしがれていた。」
そして師は続けて言いました。
「あるときここへ、一人の男がやってきた。彼は数分座って、それから言った。
『では、わたしの子供の”丸顔”を見るために、これで失礼させていただきます。』
わたしは抑え切れずにこう言ったんだよ。
『お前は神の”丸顔”よりも自分の息子の”丸顔”のほうが好きなのだな! 行きなさい! 愚か者!』
――真実には、神お一人が実在で、ほかのすべては非実在である。人類も、宇宙も、家も、子供も――それらすべては、魔術師の魔術のようなものだ。魔術師一人が実在で、彼の魔術は非実在だ。神は海のようであり、衆生は皆、その泡のようなものなのだよ。彼らはそこから生まれ、そこへ消えていく。子供たちは大きな泡の周りの小さな泡たちのようなものだ。神お一人が実在なのだよ。神への愛を培う努力をして、彼を悟る意味を見い出しなさい。悲嘆から何が生まれるというのかね?」
ゴーラープ・マーは理解しました。そして彼女が家に帰ろうとすると、師は優しく言いました。
「外はとても暑いよ。どうして今行くのかね? あとで、信者たちと一緒に馬車で帰ったらいいよ。」
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