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ゴーラープ・マーの生涯(10)

 ゴーラープ・マーはホーリーマザーのヴィジャヤ(ドゥルガー女神の仲間という意味)であり、36年間、影のように彼女につき従っていました。彼女は何度もホーリーマザーと共にさまざまな場所(デーオーガル、プリー、プラヤーグ、ハリドワール、ラーメーシュワラムその他)に聖地巡礼に出かけました。また、ゴーラープ・マーはジャイランバーティーやカーマールプクルに何度もホーリーマザーに同行して行きました。
 ホーリーマザーはよく、「ゴーラープがいなくてはどこにも行けないわ。彼女と一緒にいると、わたしは安心するわ」と言っていました。
 馬車でどこかへ行くときの乗り降りには、ゴーラープ・マーがマザーの手をとっていました。歩いてどこかへ行くときは、ホーリーマザーははにかんだ花嫁のように、ゴーラープ・マーの後ろを歩いていきました。
 マザーのカルカッタの家では、ゴーラープ・マーは監督となって、感情的で無神経な信者たちからホーリーマザーを守りました。あるとき、一人の男性信者が、ホーリーマザーに礼拝を始めました。ホーリーマザーはすっぽりとチャダル(ショール)をかぶってその信者の前に座っていました。ゴーラープ・マーはそれを見ていましたが、特に問題がなかったので彼女自身の仕事に戻りました。かなり長い時間が経過し、彼女がホーリーマザーのところへ戻ると、まだ同じところにその男がいました。異変に気付いて、ゴーラープ・マーはその男性信者を引っ張り出し、大きな声で言いました。
「これはあなたの呼吸法とかそんなもので息を吹き込むべき木像か何かですか? マザーが汗をぬぐって居心地悪くされているのが分からないのかしら?」

 ホーリーマザーは非常に恥ずかしがり屋で、師の出家の弟子たちの前でさえも、顔をヴェールで覆っていました。
 あるときスワミ・ヴィヴェーカーナンダが彼女を訪ねてやってきました。彼女はいつものように顔を覆って、ゴーラープ・マーを通して彼に話をしました。スワミ・ヴィヴェーカーナンダが祝福を乞うと、ゴーラープ・マーは言いました。
「マザーは、師はいつもあなたと共にいらっしゃると仰っています。あなたは世界の繁栄のために多くのことを成し遂げる使命を持っています。」
 年長の男性信者がマザーに質問をすると、マザーはゴーラープ・マーにささやき、ゴーラープ・マーはマザーの返答を信者に聞こえるように繰り返しました。
 
 ゴーラープ・マーは非常に率直な人物でした。他者の感情を気に留めることなく、彼女は自由に自分の意見を表現しました。ホーリーマザーはそのことを気にかけていませんでした。なぜなら、ゴーラープ・マーは他者の幸福を願っている人であり、それらの言葉は悪意ある動機によって出てきたものではないことを知っていたからです。しかしときどきマザーはゴーラープ・マーに、もしそれが真実であっても、辛辣な言葉で信者たちを傷つけないようにと注意しました。

 あるとき、ホーリーマザーはジャイラームバーティからカルカッタへ電車で行くことになり、スワミ・ブラフマーナンダとプレーマーナンダ、そして他の数名の信者たちが、駅まで彼女を迎えに行きました。ヨーギン・マーとゴーラープ・マーに連れ添われてホーリーマザーが電車から降りると、二人のスワミは、彼女の御足の塵をとるために駆け寄ってきました。ゴーラープ・マーは彼らを制止して、高い声でスワミ・ブラフマーナンダに言いました。

「マハラジ、一体どうしたというのですか? マザーはたった今、電車から降りて来られて、焼けつくような太陽のせいで疲れ切っていらっしゃるのですよ。あなたがすることを許してしまったら、わたしはどうやって他の人をなだめたらよいというのですか?」 

 二人のスワミは赤面して後ずさりました。
 その後、彼らはホーリーマザーの馬車の後へついていきました。彼女の住居では、ギリシュ・ゴーシュがマザーに会うために待っていました。彼を見たゴーラープ・マーは言いました。

「わたしの言葉もあなたの奇怪な信仰の前ではへとへとだわ。マザーに会いにここへやってきたのでしょうけど、彼女はお疲れです。彼女に休息の機会も与えず、あなたはここに彼女をこらしめるためにやってきたのですね!」

 しかし、ギリシュもまた同じように率直な人間でした。彼はすぐさま言い返しました。

「あなたは本当にやかましい女だ! マザーの心は、長く会えなかった子供たちの顔を見て安心したいだろうと思っていた。それなのにこの女はわたしにマザーへの信仰を教えている!」
 そしてギリシュは、スワミ・ブラフマーナンダとプレーマーナンダに一緒に来るように言い、三人はマザーに礼拝したのでした。その後、ゴーラープ・マーはホーリーマザーに、ギリシュの失礼な言動について不満を言いましたが、マザーは彼女に、「わたしの子供たちへの批判について、何度もあなたに注意しましたよ」と言いました。

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