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ゴークラダース・デイとM(1)

「ゴークラダース・デーイとM」

 私が初めてM(マスター・マハーシャヤ)にお会いしたのは、1910年3月のある日の午後、モルトン・スクールの4階だった。信者が扉を開けて、私をMのところまで連れて行ってくれた。彼は、普通のドーティ(布)を、半分を腰に、もう半分を上半身に巻きつけて座っておられた。色白で、背が高く、立派な胸板に、大きな目を持ち、リシのような長いあごひげが胸まで垂れ下がっていた。彼の恍惚としたムードは、そこに深い霊的な雰囲気を創り上げていた。
 Mは、訪問者が彼に頭を下げることを許可しなかったので、私が合掌してご挨拶した際にも、彼も同じように合掌して私に挨拶して下った。Mは仰った。

「どうぞお座り下さい。」

 少し会話を交わした後に、Mはこう仰った。

「ご存じかね? 師(シュリー・ラーマクリシュナ)が私達にお与えになったものを――私達が彼から何を受け取ったかということを――それは、燃えるような信だ。」

 Mは、ジェスチャーをまじえてお話しになった。私はいまだにその光景をはっきりと覚えている。少し経ってから、Mは上方を見つめ、片手を頭上に置き、歌を口ずさみ始めた。Mはこのように歌われた。

 おお、王の中の王よ。御身を私に示したまえ
 私は汝の慈悲を切望する。汝の一瞥を私に与えたまえ!
 この世の燃える溶鉱炉で焼き焦がされて
 汝の愛しい御足に、私はこの人生を捧ぐ

 歌が終わると、Mは仰った。

「スワミジ(ヴィヴェーカーナンダ)がこの歌をお歌いになったとき、師はサマーディに入られた。
 歌えるかね? 最初、私はとてもシャイだったので、師の前で歌うことができなかったのだよ。その後、彼は私に一緒に歌わせになった。師は仰った。
『恥と嫌悪と恐れは束縛である。人がこれらを持っている限り、神を実現することはできない。』と。」

 Mは私の兄弟の一人をご存じだった。彼は私のことについてお尋ねになり、中間テストが終わったことを伝えると、お喜びになった。そして、師にいくつかの甘い物を捧げ、プラサードを私に下さった。私は彼の温かい気遣いを決して忘れない。

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