ケーチャリー・ムドラー
☆ケーチャリー・ムドラー
舌を反転して頭蓋の穴に入れ、視線を眉間にすえる。これがケーチャリー・ムドラーである。
大変切れ味がよく、かつ清潔な刃物をもって、舌の舌小帯のところを毛筋ほど切る。
それから、粉末にした海塩とウコンの粉を混ぜたものを塗る。一週間後、また毛筋ほど切る。
このような順序によって、六ヶ月の間、休まずに規則正しく続ける。
その後、舌を反転して、それを三つの気道の合流する場所へ合わせる。これがケーチャリー・ムドラーである。
このケーチャリー・ムドラーを心得た人にはもはや病気はなく、けだるさも、眠りも、飢えも、渇きも、気絶もない。
このムドラーによって心は虚空の中を遊歩する。それゆえに、大師たちはケーチャリー(虚空を歩む)と名づけたのである。
もし行者が、ケーチャリーの行に成功するなら、彼は若い婦人に抱擁されても、精液を漏らすようなことはない。
たとえ精液が漏れそうになっても、すぐに上に引き上げられるのである。
ヨーガに達した人が舌を上にしまいこみ、心を沈めて甘露を飲むならば、半月にして死に打ち勝つことができる。
もしも行者が毎日甘露でその体を満たすならば、たとえ毒蛇にかまれても、体は毒に影響されない。
甘露が正しく分泌されると、病気はなくなり、老化は止まり、様々な神秘的力を得、天女をも手元に引き寄せることができる。
上向きに寝て、舌を上の穴につけたまま、シャクティを思念しつつ、ハタ・ヨーガのプラーナーヤーマによって得られた甘露が、喉のヴィシュッダ・チャクラに滴り落ちるのを飲むならば、無病で、柔軟な体になり、長寿を保つことができる。
甘露を飲むための修法を修練するがよい。正しく甘露を飲まないならば、肉体の完全は所詮得られない。
-
前の記事
「ヴィーラバドラ・アーサナ」 -
次の記事
「心の逆転変」