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クンサン・ラマの教え 第一部 第四章「カルマ:原因と結果の法則」(4)

(3)善悪を決めるのは心

 天界の頂点から地獄の底まで、そこに住む生命体が経験する喜びや苦しみには無限の種類があるが、それらは過去世において集積した善き行ないと悪しき行ないによって生じる。
 「百の行ない」という経典には、次のように説かれている。

 喜びも悲しみも、
 すべては行ないから生じる、と仏陀はお説きになった。
 様々な行ないが、様々な生命を生み出し、
 様々に迷わせる。
 行ないというこの網は、なんと広大であろうか!

 現在どれほどの力、権力、富、財産を持っていても、死ねば一緒に持っていくことはできない。持っていけるのは、生きている間に積み重ねた善き行ないと悪しき行ないのみである。それらの行ないによって、三善趣に生まれ変わるか三悪趣に生まれ変わるかが決まる。
 「王への教え」という経典には、次のように説かれている。

 王よ、別れのときだ。
 財産も、友人も、家族も、どれも一緒に行くことはできない。
 しかし、どこから来ようと、どこへ行こうと、
 過去の行ないは、影のようについてくる。

 善き行ないや悪しき行ないの結果はすぐに明らかなることはないが、適切な条件と合致したときに、その結果を受けることになる。

 たとえ100のカルパが過ぎても
 カルマが消えることはない。
 条件が整えば、
 その結果が現われることになる。

 『善き特性の宝蔵』には、次のように説かれている。

 鷹が空高く舞い上がるとき、
 その影はしばらく見えなくなるが、
 鳥と影は結びついている。
 同じように、わたしたちの行ないも、
 条件が整えば、その結果は明らかになる。

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