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キャラ・ケンポ・チェチョク・トンドゥプの生涯(2)

 三十五歳のとき、彼はタントラとゾクチェンの瞑想に集中し始めました。合計九年間に渡って完全に隔離された場所で隠遁修行を行ないました。ある隠遁所においては、ドドゥプチェン・リンポチェ三世からアビシェーカを、そしてケンポ・コンメから指導を受け取るために毎年数日間だけ中断しましたが、その他の隠遁所では全く中断することはありませんでした。
 また彼は生涯を通じて、百日や一ヶ月といった長さの短い隠遁修行も何度も行ないました。

 ほとんどの長期の厳しい隠遁修行期間における彼の日課には、二十分ほどの小休憩、正午の一時間半の昼食、夜の十五分ほどのお茶の時間が含まれていました。夜は四時間ほど睡眠を取りました。それ以外の昼夜の時間は瞑想に一心に集中しました。

 彼がほとんどの隠遁修行を行なった小屋は、岩の上にあるケンポ・コンメの住居のすぐそばにあり、木々に隠されていました。それは一つの小部屋、粗末な台所、狭いベランダ、そしてトイレのついた小さな小屋でした。彼は長期の隠遁修行を始める際、何ヶ月または何年もの隠遁修行が終わるまで、小屋の扉を閉めました。彼が外で誰かを見ることも、誰かが彼を見ることもできませんでした。彼は誰とも話しませんでした。もちろん、隠遁修行の終わるまで、誰もその小屋に入ることはできませんでした。屋根には、光を取り入れたり、空や山々の頂き、木々を見ることのできる広く開いた天窓がありました。小鳥がその広く開いた天窓から彼を訪れ、彼の供物を楽しみました。ときどき、人びとの言葉や僧院で演奏される儀式音楽の音が聞こえてきました。小屋の側面には小さな穴が開いていて、僧が決まった時間に彼に食べものや水を届けました。

 長期の隠遁修行から出てきた彼が健康なのを見て、人びとは驚きました。後年、彼はこう述べていました。

「その期間中、居心地の悪い思いは全くしませんでした。隠遁修行の最初の数ヶ月が過ぎると、わたしはそこから出たくないと思いました。なぜなら、一人になると私はまさに安らぎや至福に包まれていたからです。瞑想時間以外にも、少なくとも否定的な思いは浮かびませんでした。」

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