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アプラーティクリヤ

 「『ハリ、主があらゆる生き物の中におわします』と知って、賢い人々は、すべての生き物に対して揺るぎない愛を示す」

 この種の強烈な、心を奪う愛の結果として、完全な自己放棄(おまかせ、自己の明け渡し)、何一つ自分にとって悪いことは起こらないという確信、すなわちアプラ―ティクリヤが生まれます。
 そうすると愛する魂は、もし苦痛が来れば、『ようこそ、苦痛よ』と言うことができます。もし不幸が来ればそれは『ようこそ不幸よ、あなたもやはり愛するお方のお使いです』と言うでしょう。もし蛇が来れば、『ようこそ蛇よ』と言うでしょう。たとえ死がやってきても、このようなバクタはほほえみをもってそれを歓迎するでしょう。
 『彼らすべてがわたしのところに来るとは、私は実に恵まれている。すべてを歓迎する』――神と『彼のもの』であるすべてのものへの強烈な愛から生まれる完全なおまかせのこの境地に達したバクタは、自分が受ける影響に関して、楽しみと苦しみとを区別することをやめます。彼は、苦痛や不幸に不平を言うというのはどんなことであるのか、知らないのです。
 このような、愛そのものであられる神の思し召しへの文句なしのおまかせは、実に、華々しく英雄的な行為のすべての栄光よりも価値のある、修行の成果です。

 ――スワミ・ヴィヴェーカーナンダ

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