「解説『バクティヨーガ・サーダナー』」第二回（３）

　はい。四番目、「他者を罵倒中傷すること」。まあこれはやっちゃいけない。当たり前ですけども。これは欲望と絡めると、当然、その背景には逆に、われわれの――例えば称賛されたいとか、あるいは自分の、まあなんていうかな、地位というか、地位というのは、社会的な地位というよりは、例えば人間関係の地位であるとか、ポジションであるとか、そういうのを保ちたいというその欲求、執着等によって、まあつまりいつも言うように、その、他者の排斥のうえに自分のポジションを確立させたいという気持ちがあるんですね。うん。で、これによってこう他者を排斥すると。
　もちろん違うパターンもあるよ。もう単純に本当に怒りだけで怒る人もいるよ、もちろん。それはもちろん、まあ単純な地獄のカルマだね。単純にこう怒りが燃えてて罵倒中傷すると。これはまあ別パターンですけど。そうじゃなくて、自分の中に自分というのを確立したいっていうその執着があって、そのために他者を罵倒中傷すると。それによって優越感や、あるいはその比較によって自分を成り立たせるっていうかな。うん。これはもちろん駄目だね。
　で、もちろんこういうことをすると、意識が勘違いします。意識が勘違いして、みんなを罵倒中傷したことによって、本当は――いつも言うけど、そういう人って大体みんなから信用されなくなります。みんな怖くて従う場合はあるけども、あの、本音では誰にも信用されなくなります。でも、自分ではなんかメリットがあったように勘違いするんだね。勘違いしてまた同じことをやってしまう。これがこの罵倒中傷――欲望から生じる罵倒中傷の大いなるデメリットですね。だからこういうのもやめましょうと。