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「精神面と行法の両面から」

◎精神面と行法の両面から

(F)精神的に心の問題とかが解決されることで、クンダリニーが覚醒したりすることはありますか?

 そうだね。だからそれはさっき言ったようにクンダリニー・ヨーガっていうのはあらゆる問題を、そういった物理的な問題として考えるわけだけど、つまり裏を返せば実際はその精神的な問題とかも全部含まれているわけ。だから修行には本当は形はないわけだけど、たとえばバクティ・ヨーガで神に心を合わせることイコール……これは前にも言ったけど、ラーマクリシュナっておもしろくってさ、そういった肉体的なヨーガは必要ないと。もうバクティ・ヨーガだけでいいんだと。つまり神にただ心を合わせろって言ってるんだね。そしたらどうなるんですかっていうと、いやあ、そうするとクンダリニーが覚醒してチャクラを貫くとか言って。それ、クンダリニー・ヨーガじゃないかって感じなんだけど(笑)。

 つまり、方法論が違うんです。全く起きてることは同じことを言ってるんだけど、ラーマクリシュナは別に肉体行を使わないでバクティ・ヨーガでいけるって言ってるんです。それはつまり神に心を合わせることで、下に下がってる気がグーッと上に上がり出して、そういうことが起きるんだよと。

 あるいはそうじゃなくて仏教的にはもっと……仏教がやっぱり一番そつなくまとまってるね。つまりしっかり徳を積んで、戒によってそれを漏らさないようにして、で、戒律を守るイコール下のほうに気を行かせないようにしてるから、気がね、上に行くしかなくなるんだね。

 だって、人を怒っちゃいけませんよと。――この一番下のチャクラを動かなくしてるんです。

 性欲もだめですよと。――性器のチャクラにも気が行けないなと。

 つまり気の流れによって心をコントロールしてるんじゃなくて、心のコントロールによって気をコントロールしてるんです。

 あるいは食事もあまりとらわれるなと。もちろんお金とか物質なんてもってのほかだと。逆に布施しなさいと。こういうことやってると、下のところがもう動かなくなるので、気が上に行かざるを得なくなる。

 ということは、結局両方やれば一番早いんじゃないかと。つまりしっかり戒律を守って、布施をして、徳を積んで、かつ行法によってしっかり気を上げると。

 蓮華座なんて一番いい行法だね。蓮華座の意味っていうのは、これも前に書いたことがあるけども、まずしっかりと厳しい座法を組むことで、物理的に気の流れを阻害してるんです。そしてこの、まあ、蓮華座もだんだんヨーガが進むとビシッと入るようになってくるけども、踵がお腹に突き刺さるように座ることで――あ、この話もしなきゃいけないんだな。――人間には右と左の気道があるわけだね。で、この入り口がこの……まあ、いろんな説があるけども、下腹部のところにもあります。下腹部のところの左右を踵でぐっと圧迫する。蓮華座がしっかり入るとね、自動的にそういう座り方ができるようになります。足が柔らかくても体がまだヨーガ行者の体になってない人は、ちょっとこうずれちゃったりしてあんまりそうならないんだけど。しっかりはまるようになってくると、カチッとこう、踵が腹部の左右を圧迫します。これで物理的にこの左右の気道の流れが止められます。

 さあ、厳しい座り方によって下の気の流れがもうどこにも行けなくなりましたと。上に行こうとしたら、左右も止まってます。よって真中を上るしかなくなってしまう。これが蓮華座のメリットなんだね。

 だから蓮華座をしっかり組み、そして日々しっかりと戒律を守ることで、下のチャクラとか下の世界にもう気が行けなくなってしまう。これがだから総合的な一番いい修行の進め方だね。その上でムドラーとか肉体行をやったら、効果的に修行が進んでいくようになっていきます。

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