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解説・ナーローの生涯①(1)

20091205聖者の生涯 ナーロー ①

◎桁外れな聖者

 はい、今日は「聖者の生涯」の「ナーロー」ですね。ナーローまたはナーローパというわけですが、『ナーローの六ヨーガ』でお馴染みのナーローですね。
 簡単にいうと、チベットの、今言った「ナーローの六ヨーガ」、それから「マハームドラー」、これを中心にやってるのはカギュー派という派があるわけですが、ミラレーパとかマルパの派ですね。あの派のおおもとっていうかな、つまりナーロー自体はインド人ですが、マルパね、チベット人のマルパの師匠なわけですね。つまりマルパがこのナーローから教わった教えをチベットに持って帰って、それがカギュー派のもとになったわけですね。で、その中心的な教えが「ナーローの六ヨーガ」、つまりまあ簡単にいうと、ナーローから教わったある種のエネルギー的なヨーガをね、六つにカテゴリー分けしたのが「ナーローの六ヨーガ」っていうわけですね。で、もう一つは「マハームドラー」っていわれる、心の本質、精髄を悟る教え、これらがこのナーローから来ています。
 で、このナーロー、あるいはナーローパといわれる人は、これはわたしの個人的な見解だけども、ちょっと桁外れな聖者の一人ですね。桁外れっていうのはつまり――これは本当にわたしの見解だけども――ラーマクリシュナ、あるいはグル・リンポチェね、パドマサンバヴァ、そしてナーローパ。こういった人っていうのは、例えばクリシュナとかと同じような感じで、ちょっとわれわれとはそもそも違うと(笑)。最初から完成してるっていうかな。まあもちろんそれはお釈迦様もそうなのかもしれないけど、ちょっと全く桁外れな聖者っていう感覚がするんだね、伝記であるとか教えとかを見るとかね。
 これはわたしの個人的見解なので、他の人は例えばまた別の人をね、「いや、この人もそういう気がする」っていうのがいるかもしれないけど、わたしは今言ったラーマクリシュナとか、パドマサンバヴァ、そしてこのナーローは、そういう感じがするんだね。ちょっと桁が違うと。
 まあだからそういう意味では、この人の生涯はあまり参考にならない(笑)。もともとものが違うんだね。だからちょっとこれはストレートにすぐわれわれが真似するようなものではないんだけども、まあでもその中に含まれてる多くの智慧というかな、多くのわれわれの悟りのためのヒントは散りばめられてるので、それをいろいろ学んでいきたいと思います。

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