yoga school kailas

「私が見たアドブターナンダ」より抜粋「師ラーマクリシュナとの出会い」(4)

 アーラティが終わると、師は彼に寺院のプラサード(神聖なおさがり)を食べるように言った。
 ビハールで生まれた彼は、カーリー寺院のおさがりを食べるのをためらった。そこでは、動物の肉が捧げられていたからである。
 師はそれを理解して、こう仰った。

「ねえ、カーリー寺院では、肉が捧げられるのだよ。
 でもヴィシュヌ寺院では、菜食の食べ物だけが捧げられる。――さらに、全部ガンガーの水を使って調理されている。
 どっちが食べたいかね、息子よ。
 でもね、神に捧げられた食べ物を食べることをためらうのは良くないよ。
 わかったかね?」

 無学のラトゥは、深く考えることなく、子供のように単純に、無邪気にこう言った。

「僕はあなたがお望みのものを食べます。
 僕はあなたのプラサードしか食べません。」

 師はその少年の率直さを見て、お笑いになり、ラームラルを呼んで仰った。

「この子の賢さをごらんよ。
 私が食べるものを食べたいのだとさ。」

 食事のときに、師はラトゥをそばに座らせて、彼にご自分が食べたものの一部をお与えになった。
 その少年は、自分が最も神聖だと思っていたものを食べ、自分は祝福されていると思った。
 彼の歓喜は、言葉に表わせないものであった。

 午後に、信者たちが少しずつ集まり始めた。
 師は彼らと話をしていらっしゃった。
 夕暮れになった。
 師はラトゥを見て、こう仰った。

「もう日が暮れた。カルカッタに帰らないのかね?
 お前は今日一日中、ここで過ごした。」

 そしてまた、師は、乗り合いの篭を借りるお金があるかどうかを彼にお尋ねになった。
 少年は、何も言わずにポケットを振った。
 小銭がジャラジャラとなった。
 師は彼の純真さを見てお笑いになり、それ以上は何も仰らなかった。

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