yoga school kailas

「真理の楔」(3)

◎カルマの化学変化

【本文】

 よって修行者はここで、意志によって、カルマの輪を断ち切らねばならない。
 それをできるのは、この輪に参加している人の中で、ただ一人、君しかいないからだ。
 そのような考えと出会い、理解し、実践しようとする機根を持つ者しかいないからだ。
 憎しみには愛で返せ。
 非難には称賛で返せ。
 奪われたら与えろ。
 馬鹿にされたら、尊敬しろ。
 悪い言葉は良い言葉で返せ。
 苦しみを与えられたら、幸福を贈れ。
 あだを恩で返せ。
 最悪の場合でも、悪しき反応はするな。
 これによって、そのカルマの輪に、化学変化が生じる。

【解説】

 これもいつも言ってることですけども、もう一回整理して考えますよ。われわれは何人か――まあ何人かというより実際はたくさんいると思う。つまり、その輪の中に参加している人っていうのは、千人とか一万人とかもっといるかもしれません。それは今生いない人もいるからね。一応グループなんだけど今生は一緒の星じゃなかったとかいう人もいるから(笑)、一応はその同じその輪に参加してるグループがいると。
 で、ここで重要なのは、いつも言ってることだけど、ほとんどの人は、ここに書いてるような教えを聞いたことがない、読んだことがない。つまり、仏教とかヨーガとかその他真理の教えっていうものに、出合っていない人がほとんどなんです。その場合はつまり、このカルマの自然な流れと対抗するという考えすらない。完全にただ流されてるだけなんだね。流されて、その自然なままに苦しんでる。あるときは加害者になり、あるときは被害者になり、苦しんでるわけですね。
 で、自分だけが、その輪に参加してる中で――例えばその輪にわたしとM君二人いたら、二人いますよ。ね(笑)。二人いるけども、でもM君しかいない場合もあるわけだね。あるいはSさんしかその輪の中に修行者がいない場合がある。――っていうよりも、ほとんどそうです。その場合、この輪に参加する者たちを救えるのは、自分しかいない。その輪に参加してる者たちを救うことに関しては、またちょっと後の方に出てきますけども、とにかくその輪、カルマの輪に変化を与えることができるのは、自分しかいないんだね。
 ――っていうことは、これは大いなる責任問題なんです。ちょっと変な言い方なんだけどね。
 だから、いつも冗談みたいに言ってるけど、皆さんがこういった真の仏教、あるいは真のヨーガの教えに出合ってしまったっていうことは、変な言い方すると、「出合ってしまった」。「ご愁傷様です」と、ね(笑)。「はい、責任重大ですよ」と(笑)。ね。
 知らなければ――ちょっと変な言い方するよ――知らなければ、ボーッとしてても救われたかもしれない(笑)。でも知ってしまったんで、救う――救うっていうのはもちろん、言葉でなんか言って救うっていう意味ではなくてね、まあそれはそれでもいいんだけど、そうじゃなくて、自分が変わることによって、縁のある者たちを総引き上げしなきゃいけないっていう責任があるんですね。
 これはね、ものすごい責任です。なぜものすごい責任だって言ってるかっていうと、つまり、自分と関係する、さっき言った十人か百人か千人か分からないけど、その人たちが一つのカルマから解放されるかどうかが関わっているわけだから、すごい責任ですよ。
 例えば今日の弁当が食べられるかとかね、そんな責任じゃないですよ(笑)。例えば今日M君、弁当係に任されましたと。責任重いですよと(笑)。ね。千人分の弁当頼んでくださいと。忘れたらみんな今日昼飯抜きですよと。「責任重いなー」と。でもたかが昼飯でしょ(笑)。そんな問題じゃない(笑)。その人が何億年と苦しんできたカルマから――それは一つだけどね――カルマの一つから解放されるかどうかがかかってるんです。大いなる責任なんだね。
 だからそれに気づいてしまったということは、まあご愁傷様というか、もうやるしかないというか、大いなる責任を背負ってしまったっていうふうに考えなきゃいけないんだね。
 で、ちょっとまあかっこいい感じで書いてますが、「憎しみには愛で返せ」と。「非難には称賛で返せ」と。「奪われたら与えろ、馬鹿にされたら尊敬しろ、悪い言葉には良い言葉で返せ、苦しみを与えられたら幸福を贈れ、あだを恩で返せ、最悪の場合でも、悪しき反応はするな」。
 はい、これはつまり、さっき言った自然の「こうなったらこうなる」っていうカルマの流れの中にいるわけだけども、あえて逆のことを返す。いい意味でですよ。いい意味で、逆のことを返す。で、これは分かると思うけども、自分がそのカルマにどっぷりと浸かっていれば浸かっているほど大変です。それを実際にやるのはね。しかしそれをやるのが、まあ修行者というかな、われわれがそのカルマの輪をぶち壊すというか、外れていくための唯一の方法なんだってことですね。

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