「仙道について」
◎仙道について
(S)仙道というのは気功と同じようなものですか?
そうだね。何ていうか、気功というといろいろあってまた幅が広いんだけど、たとえばここでやっているような気功は、仙道のウォーミングアップとしてあるような感じだね。
仙道も大きく分けて二つあって、ひとつは不老長寿とか現世利益の仙道。つまりこの世で幸せに生きるための仙道。もうひとつは仙人になって、悟るための仙道。
この世で幸せになる仙道っていうのは、別に悟りは求めていないので、いかにエネルギーをアップさせるかとか、いかに現世的な、ヨーガでいうチャクラとか、そういうのを目覚めさせるとかにすごく力を入れているね。
そうではなくて、悟りのための仙道っていうのは、まさにチベット仏教とかクンダリニー・ヨーガと非常に似ている。エネルギーをまず上げて、前へ下ろしてぐるぐる回していって、それでこういう光が現われてとか。いろいろな記述のセンスが違うんだけど、やっていることは同じだなという感じですね。
(K)あの、上に上がって、こう前に下りる・・・
そうそう。これはちょっとこのあいだも話した話なんだけど。そうだね。
ひとつはね、まずぐーっとここにまず来るんです(頭頂を指す)。その後この辺まで来るんです(顔の前面を通る)。で、ここで終わっているんです(上唇のあたりを指す)。で、また別の気道がここからスタートしているんです(下唇のあたりを指す)。
だからよく皆にやらせる、舌を上にくっつけるっていうのは、舌で接合させているんだね、上の気道と下の気道を。この気道はここで終わっているから。この気道はここで終わっているから。舌を上にクッとくっつけることでエネルギーが周りだす。
お釈迦様の、煩悩を撃退する方法として、最後の手段として歯を食いしばれと、舌を上につけろっていうのがあって、あ、これは気の流れを促しているのかなと思ったけど(笑)。実際そういう意味もあるのかもしれない。そういう研究して本を書いたら面白いかも知れないね。お釈迦様は実はクンダリニー・ヨーギーだった、とか(笑)。怒られそうだけどね(笑)。
実は本当にいろいろあるんですよ。お釈迦様の三十二相といって、仏陀であることの証明のいろいろなものがあるんだけど、あの中にたとえば、お釈迦様の指はひざまで届く、というのがあって、どんだけ長いんだ(笑)、って気がするんだけど。あれはでも、一説によるとお釈迦様は相当、なで肩だったんじゃないかっていう話があって。なで肩っていうのは、仙道の一つのいい傾向なんです。どういうことかっていうと、仙道とかの修行っていうのはこの肉体の気を通していくから、そうするとね、肩の力はどんどん抜けていくんだね。結局ちょっと、なで肩気味になる。お釈迦様はきっと、肩の辺りの気道が完全に通っていて抜けてたんだと。だからひざまで届いていたんだろう、とか。いろんな考え方があるね。
-
前の記事
「エネルギーそのものに焦点を当てた修行」 -
次の記事
「陰陽について」