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「ナーローの6ヨーガの流儀」

◎ナーローの6ヨーガの流儀

【本文】
 一般的に、無上ヨーガの様々な究竟次第のプロセスにおいては、まず左右の気道を流れる気を中央気道に入れるためのすぐれた方法がなければならない。それに関しては多くの流儀があるが、この「ナーローの六ヨーガ」の流儀においては、へそのニルマーナ・チャクラにあるチャンダーリーの火を燃やし、覚醒した生命力を中央気道に入れるのである。それによって「四つの歓喜」を経験し、その最後に生じる「サハジャの智慧のマハームドラー」を維持するのである。

 
 はい。ちょっと難しいですね。今日のこの教えっていうのは、例えば『入菩提行論』とか『バガヴァッド・ギーター』みたいな、ああいう真理の考え方を学ぶ勉強会じゃなくて、技法になってくるので、ちょっと技術的な話が多くなると思います。実際にみんなで一緒に瞑想したりもするかもしれませんが、ちょっと技術的な話になりますね。
 で、ここに書かれてるのは――ちょっと一つ一ついきますよ――「一般的に、無上ヨーガの様々な究竟次第のプロセスにおいては」ってあるね。まず無上ヨーガっていうのは、これは仏教の中の密教の最高段階を表わしています。これを無上ヨーガっていうんだね。無上――つまりこれ以上ない、最上のっていう意味だね。だからこの「ナーローの六ヨーガ」もその無上の修行に含まれる。
 その「無上ヨーガの究竟次第のプロセス」。この無上ヨーガの中も、さらにそれが生起のプロセスと、それから究竟のプロセスに分けられるんですね。で、この定義もちょっと曖昧なところがあるんだけど、究竟の方がレベルが高い。で、この究竟のプロセスにおいて、このクンダリニー・ヨーガ的なさまざまなエネルギーシステムを使った修行が登場するんですね。で、そのさまざまなエネルギーシステムを使った修行の中心的な狙いは何かっていうと、まず中央気道にいかにエネルギーを入れるかっていうのがあるんだね。ちょっと今日の話は難しくなるかもしれません。
 これはどういう意味があるかっていうと、まずですよ、われわれは、ヨーガの考えでいうと、われわれの体には七万二千本の気道があります。気道ね。気道っていうのはつまり、血管の中を血が流れるみたいに、気――つまりプラーナとか気っていうのが流れるには、その道が必要だと。体中にその道が張り巡らされていますよと。もちろんこれは全員持っています。なぜかっていうと、それがないと生きられないから。気道があって、そこを気が流れて、われわれは普通に生命活動を行なってますよと。
 しかし、その七万二千本の管の中で、気道の中で、使ってない気道がいくつかあるんだね。普通の人は使ってませんよっていう気道がいくつかあります。で、よく中国の仙道とかでは「奇経八脈」とかいうんだけど、それが八つありますよとかいうんだけど、まあいくつかあるんだね。例えばこの背中の真ん中のスシュムナー気道とかもそうだね。いろいろあります。で、何でそれらの使ってない気道があるのかというと、それらは普通に生きるには別に必要ない。でもわれわれが修行して、人間を超えて、自分のいろんなけがれを超えて、どんどん純粋になっていくこの修行の道を歩むためには、必要な気道なんだね。だからその人が修行に本格的に入らない限りは、その気道の門が開かないっていうか、その気道が動き出さないんだね。そういう気道がいくつかある。その中で最も重要なのが、中央気道っていうやつです。
 この中央気道っていうのは、この体のど真ん中を頭のてっぺんからドーンと走ってる気道だね。この気道っていうのは誰でも持ってるんだけど、使ってないんです。つまりシステムはあるんだけど、全くそこにエネルギーが注がれてないわけだね。で、ここにいかにエネルギーを入れるかが非常に重要なんです。
 で、ここにエネルギーが入ったら、さまざまな真実の体験をその人はするようになります。つまりそれは高い世界の経験であるとか、クンダリニーの経験であるとか、あるいは悟りの経験であるとか、いろんなわれわれがしなければいけない真実の経験がいろいろあるわけだけど、それのスイッチを入れるために、ここにエネルギーを流入させなきゃいけないね。だからいかにその流入させるかっていうことに、このエネルギー系の修行っていうのはいろいろ費やしてるんだね。
 例えば例を挙げると、仙道の一つのやり方を言うとね、中国の仙道――これは聞いたことあるかもしれないけど、中国の仙道では小周天っていうのを大事にする。小周天ね。小周天っていうのは、まずこの背中の気道をグーッとエネルギーを上げる。ね。最初は本当にエネルギーが上がってるか分からないから、とにかくイメージでもいいからまず上げる。そのまず前の段階でいろんな呼吸法とか気功とかをやって、まずこのへその下の丹田のところの火をガーッて燃やすと。熱エネルギーを燃やすと。で、その熱をグーッと背中を上げて、で、前へ下ろす。体の表面の前のところをグーッと下ろしていく。これをグルグルグルと後ろと前をこう回転させるんだね。これが小周天。この小周天を数百回行なうと、自然に中央気道に入るっていってる。ある仙道のやり方ではね。つまりそれが一つの仙道のアプローチ。いきなり中央気道に入れるのは無理ですよと。だからとにかく後ろと前を回してくださいと。そうすると自然に入りますよと。これは一つのやり方だね。
 他にもいろんなやり方がある。で、ここに書いてあるやり方では、「へそのニルマーナ・チャクラにあるチャンダーリーの火を燃やし、覚醒した生命力を中央気道に入れるのである。それによって『四つの歓喜』を経験し、その最後に生じる『サハジャの智慧のマハームドラー』を維持するのである」と。
 はい、チベットのやり方っていうのは、いきなり中央気道に入れます。つまり、後ろと前を使ったりしないで、とにかく中央に集中する。そのためにへその火をいろんなやり方で燃やして、その炎のエネルギーをこの中央気道に入れようとするんだね。
 はい、そして、「四つの歓喜」を経験し云々とありますが、これもちょっと後で出てきますが、この修行をしてこれが成功すると必ず――つまりエクスタシー、素晴らしい歓喜を経験します。それには段階があります。その四段階の歓喜があって、その最後の段階で「サハジャの歓喜」ってあるんだね。で、このサハジャの歓喜と――これはちょっと後で出てくるけどもね――そのサハジャの歓喜と、それから空の悟りを混ぜ合わせる。ここで生じてくる境地が「サハジャの智慧のマハームドラー」。ちょっと難しいね。ちょっと難しいけども、一応言うと、今言ったプロセスで完全なる悟りに到達していくっていうことですね。

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