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☆バルドの幻を観想する方法

☆バルドの幻を観想する方法

1.バルドの基本的な教え

 生命体が死に、また生まれ変わるまでの死と生の中間の状態において、その者はバルドの身体を持つ。その身体は、すべての感覚器官を完全にそなえ、ある種の神通力を持ち、次に生まれ変わることが確定している場所以外には、どこへでも行くことができる。
 バルドの身体の寿命は、長くても七日である。その七日の間に新たな世界に生まれ変わらなかった場合、再び新しいバルドの身体を得る。これは最高七回まで繰り返されるので、最長の場合49日間となり、この49日の後には誰でもが、必ずどこかの世界に生まれ変わる。

 地獄や天などに瞬間的に生まれる者は、その生まれることになっている場所に対して渇愛を感じる。
 湿った場所で生まれる虫などの場合は、その場所のにおいに渇愛を感じる。
 胎生や卵生の場合は、父と母が性交している場面に渇愛を感じる。女性として生まれる者は父に愛著を感じ、母に嫌悪を感じる。男性として生まれる者は母に愛著を感じ、父に嫌悪を感じる。

 カルマの悪い者が経験するバルドは、暗い雲、あるいは闇夜のように感じる。
 カルマの善い者が経験するバルドは、白い布、あるいは月光によって照らされた夜のように感じる。

 バルドとは、「死んでから生まれ変わるまでのバルド(中間状態)」だけを指すのではない。
 生まれてから死ぬまでのバルド(中間状態)、眠ってから目覚めるまでの夢のバルド(中間状態)などもまた、バルドである。

 密教の教えを修めたヨーギーは、生きているうちに死のプロセスを何度も瞑想で修習し経験する。
 そのときに、普通の人が死んで死の光に飛び込むプロセスにおいて法身(ダルマカーヤ)を経験し、バルドの身体を形成するプロセスにおいて報身(サンボーガカーヤ)を形成し、そして新たな世界に生まれ変わり新たな肉体を形成するプロセスにおいて変化身(ニルマーナカーヤ)を形成することを修習する。
 これによってヨーギーは、普通の死とバルドと再生を、仏陀の法身・報身・変化身に変容するのである。

 覚醒時にしっかりと幻身の修行を修習し、睡眠時には夢の中で幻身を修習し成就することによって、死後の幻身(報身)もしっかりと成就するように努めるべきである。

 同様に、覚醒時にチャンダーリーの火の修行によって生命エネルギーを中央管に入れ、とどめ、溶け込ませることによって、四つの空の光を経験し、睡眠時にも四つの空の光を経験するならば、死の時にも、プラーナが心臓に集まる時、四つの空の光を経験することができる。

 同様に、覚醒時に微細な幻身(報身)から粗雑な変化身に移行する瞑想を行ない、睡眠時に夢の幻身から目覚めるときに変化身の姿となって目覚めることを修習することによって、死後も、バルドの報身の状態から、変化身となって生まれ変わることを成就することができるのである。

 まとめると、
 覚醒時の四つの空・睡眠時の四つの空・死後の四つの空(法身)
 覚醒時の幻身・夢の幻身・死後の幻身(報身)
 覚醒時の変化身・夢から覚めるときの変化身・バルドから生まれ変わる時の変化身

 この九つを修習することは、無上の教えである。

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