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要約・チャイタニヤ伝 第三章 チャイタニヤが権化する一般的理由

第三章 チャイタニヤが権化する一般的理由

 ヴラジャのクリシュナは、完璧な神そのもの
 ゴーローカで、ヴラジャの取り巻きたちと無始無終の遊戯

 権化となって、目に見える遊戯を繰り広げます。

 奉情、友情、親情、愛情という四つのラサ
 四つのバーヴァを持つ信者それぞれをクリシュナは魅了し、

 しもべ、友人、父母、恋人を引き連れて、
 愛に憑かれてクリシュナは、ヴラジャの村で遊戯にふけるのです。

 満足いくまで遊戯したクリシュナは、人々の前から身を隠し、
 しばらく経った後に、こう考えます。

 「長期にわたり私は、愛のバクティを与えていない。
 バクティなくして、この世の人々の心は決して落ち着かない(輪廻を繰り返す)。

 世の人々の中には、『規定バクティ(聖典に書かれている事を義務的に行なうバクティ)』で私に仕える者もいるが、
 規定バクティでは、ヴラジャで得られるバーヴァは得られない。

 それらの人は、神の力に関する概念的知識が多すぎるが故に、
 神の力を恐れて、愛は委縮し、私の満足には程遠い。

 カーリー・ユガのつとめである、神の御名の唱和をもたらして、
 ラサ・バクティによって世界を踊らせよう。

 私自らがバクティを実行することにより、すべての人に教えよう。

 私以外に誰も、ヴラジャの愛を与えることはできない。 

 だからこそ私自身が、ヴラジャの信者を引き連れて、
 地上に権化し、さまざまな愛の色に染まって戯れよう。」

 クリシュナはこのように考えて、カーリー・ユガの夜明け前、
 自らノディーヤの地に権化されてきたのです。

 最初の嬉戯では、名前はヴィションボル(あらゆるものを育てる者)
 というのも、世界の衆生を、バクティラサで維持し、育てたから。

 修行者になってからの嬉戯では、名前はシュリー・クリシュナ・チャイタニヤ
 
 クリシュナは、カーリー・ユガにおいては、黄色い肌であらわれると、
 かつてガルガ仙はおっしゃいました。
 
 そうしてクリシュナは、黄色い肌のチャイタニヤ師として権化されたのです。

 人間の悪行という暗闇を滅ぼすために、
 輝く体で権化されたのです。

 美しいチャイタニヤ師にその美しい顔で見つめられると、
 悪行は消え去り、魂は神への愛という財産を手にするのです。

 アドワイタ師とニティヤーナンダ師は、チャイタニヤ師の二つの体。
 そして信者たちは、チャイタニヤ師の装飾品。

 これらはチャイタニヤ師とともにやってきた、
 無神論者を滅ぼすための武器。

 ニティヤーナンダ師はバララーマそのもので、
 アドワイタ・アーチャーリヤ師は、偉大なヴィシュヌそのもの。

 信者という軍隊を引き連れて、
 その二人の将軍は、神の名を唱えながら巡り歩きます。

 無神論者を撃退する仕事はニティヤーナンダ師
 アーチャーリヤ師の大きな声に、悪者や無神論者は逃げ回る

 神の名を唱えることを広めるお方がクリシュナ・チャイタニヤ師

 彼らは真智を有する方々。

 アドワイタ・アーチャーリヤ師は、チャイタニヤ師の信者として権化され、
 クリシュナを権化させるために、大声を出すのです。

 クリシュナが地上に権化されるには
 まず最初に年長者が権化されることが必要です。

 よって、父親、母親、師匠などの役割を持つ魂が
 まず最初にこの地上に生まれてこられます。

 マーダヴァ、イーシュワラ、ショチー、ジャガンナート、
 これらの方々とともに、アドワイタ師もあらわれたのです。

 権化して地上にやってきたアドワイタ師が眼にされたのは、
 地上の人々が、クリシュナへのバクティのかけらもなく、享楽の限り

 悪事を働く者も、善行をなす者も、ともに感覚的享楽におぼれ、
 この世のわずらいから解放される手段であるバクティの香りすらもない。
 
 人々のそのような姿を目にして、慈愛の心あふれるアドワイタ師は
 どうすれば人々が幸せになるか考えられました。

 「クリシュナ御自らが権化され
 ご自身の手によりバクティを実践し、広めるしかない。

 しかしどうすればこのカーリー・ユガに、クリシュナが権化されるだろう。

 清浄な愛をこめて、クリシュナに祈りをささげよう。
 四六時中、なすすべもないのですとおすがりしよう。

 クリシュナに権化していただくことができれば
 それでこそ私は、アドワイタ(他に二人といない者)という
 名前にふさわしい者になれるだろう。」

 こうしてアドワイタ師は、
 ガンガーの水と若葉のついたトゥラシーを、
 四六時中、クリシュナの蓮華の御足に思いを集中させ、供養する。

 声を張り上げてクリシュナに呼びかけられて
 クリシュナをこの地上に権化させられました。

 こうして、信者の望みにこたえて
 チャイタニヤ師が権化されたのです。

 このことの意味の核心を簡単に述べれば、
 信者の望みにこたえて、クリシュナは、いつであっても権化されるということなのです。

  

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