誰も持たない者は
あるとき一人の男がシュリー・ラーマクリシュナのところに来て、自分は非常に悲しいと言った。師は彼におっしゃった。
「ねえ、苦しみは喜びよりもいいことなんだよ。ニルヴリッティ(放棄)は、プラヴリッティ(世俗の対象への執着)よりもよい。苦しみは心を神の方へ向ける。」
またあるとき一人の女性がカマルプクルからやって来て、師に「わたしはこの世の中で独りぼっちです」と言った。
これをお聞きになって師は喜びのために踊り始められた。彼は、「誰も持たない者は神を持つ」と彼女におっしゃった。
(「わたしたちが見たラーマクリシュナ」より)