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サーダナーの指針の花輪(651~660)

651.
 禁戒その他のヨーガの実践によって、
 または「汝は”それ”なり」の真の意味を思索することによって得られる正しい智慧を通して、
 心は、唯一の価値あるものであるパラマートマンについて考えさせられなければならない。

652.
 ブラフマンの悟りは、サンカルパ(思惟、意志、イメージ)とヴィカルパ(分別)を捨てた心を通してのみ生じることができる。

653.
 鉄が火の中に置かれることで火の性質を持つように、水がミルクと混ぜ合わされることでミルクの性質を持つように、心はブラフマンに接触することでブラフマンからその叡智と力を受け取る。

654.
 波が海の水でしかないように、心と至高の魂との関係も同じである。

655.
 甘さや苦さは枝葉の中にあるのではなく、主体の中にある。
 それらは、心によって作られる。
 対象物に色、形、優劣、良し悪しなどを与えるのは、心である。
 心は、強く思ったそのとおりのかたちをとる。

656.
 友人と敵、善と悪、喜びと苦しみは、心の中だけにある。
 すべての人々は、ただ彼自身のイマジネーションによってのみ、善悪や苦楽の世界を創造する。

657.
 感覚の街路を通って心が外界をランニングし、その結果として心に生じる外的対象の経験は、ジーヴァが肉体と行動を共にすることによって生み出される。それは妄想や迷妄の故である。

658.
 感知するものと認識からなる経験の全体は、単に心のイマジネーションの産物である。
 イマジネーションの中にだけ存在するそれは、絶対のリアリティの中には存在しない。

659.
 その心の働きこそが、カルマと呼ばれるものの真実である。
 解放は、心の束縛を解くことから生じる。
 マーヤーは、心とその想像力を通して人に害を与える。
 もし心が破壊されるならば、人は真実を知る。

660.
 苦しみと喜びは、心の法則である。
 心の統御は、苦楽や良し悪しなどのすべての両極性から自らを解放し、完全なる神の叡智の道へと導く。
 心の統御によって、最高の境地へと到達する。

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