2011年インド修行旅行記(6)「ハリドワール」
◎ハリドワール
こうしてハリドワールのホテルについたのはもう夜の12時頃になってしまいました。我々は遅い夕食をいただき、睡眠につきました。
翌朝、我々は朝食前に、ハリドワールの有名な沐浴場であるハリキパイリへと向かいました。
ハリドワールはリシケシのすぐ近くにある聖地です。日本や欧米では「ヨーガの聖地」としてリシケシの方が有名ですが、リシケシはもともとはインドの聖地として名前があがるような場所ではなく、海外で成功したヨーガのマスター達がリシケシにアシュラムを多く作っていたので、有名になっただけです。実際はこのハリドワールこそが、ヴァラナシなどと並んでインドの大聖地の一つとして数えられる大聖地なのです。リシケシを訪れてハリドワールは見向きもしない旅行者も多くいますが、それは非常にもったいない話なのです。
ハリとは神、ドワールとは門を意味します。ここはガンガーがヒマラヤから地上に降りる場所なので、「神への門」というわけです。また、ハリとは特にヴィシュヌ神をあらわすので、シヴァ派の信者はシヴァ神をあらわす「ハル」をつけて「ハルドワール」と呼びます。
ここは印象としては「綺麗なヴァラナシ」という感じです笑。何となくヴァラナシに雰囲気が似ているのですが、ヴァラナシが清濁を包含したカオスな印象があるのに対して、ヒマラヤの麓にあるこのハリドワールは、とても綺麗で清浄な雰囲気があります。
沐浴場のハリキパイリは、もともとものすごく流れが速いのですが、今回は折からの大雨の影響を受けて、さらに流れが速くなっていました。沐浴をしていても、気を抜くと流されてしまいそうになります。流されてしまわないように、沐浴場には鎖がついています。それをしっかり握りながら沐浴するわけです。
今回、結局ガンゴートリーやゴームクには行けなかったので、参加者達にとって、本格的な聖地での沐浴はここが初めてでした。最初は怖がっている人もいましたが、そのうち皆、おそるおそる水に入り、敬虔な気持ちで沐浴していました。多くの人が沐浴後、「体が軽くなった!」と驚いていました。またある人は、沐浴後しばらくの間、陶酔状態に入ってしまい、ガンガーの強烈な力に驚いていました。