パドマサンバヴァの秘密の教え(45)「十の特質」
◎十の徳質
師パドマはこう仰った。
「ダルマを修習した印として十の徳質が必要なのだ。」
ツォギャルは尋ねた。
「その十の徳質とは何なのでしょうか?」
師はこうお説きになった。
「一.もし散漫な思考を克服することができるなら、それは悟りの自然な状態を認識したという印である。
二.もし心のエッセンスの智慧が偏りなく現れたなら、口頭の教示が効果をもたらしたという印である。
三.もしあなたの師を真の仏陀として認識するなら、それは師への帰依が生起したという印である。
四.もしあなたが障害なく神の祝福を受けるなら、それは成就者の系統が壊されていないという印である。
五.覚醒を目指して努力している時、もしあなたの心の状態が障害なく変えられることができれば、それは覚醒のすべての能力を修習したという徳質の現われである。
六.もし昼も夜も修行しても疲れを感じないなら、それはプラーナと心の要点に到達したという印である。
七.修行してもしなくても、明晰さにおいて違いがないなら、それは瞑想に確信を得たという印である。
八.どんな思考や状況が起きてもダルマターを思い出すことができれば、それは状況を道における助けとして見なしたという印である。
九.煩わしい感情である無気力が生起しないなら、またはたとえ生起したとしても、もしそれがすぐに静められるなら、それは、自然に五毒を制したという印である。
十.もし苦悩や困難に不屈であるなら、それは、無常が輪廻の特質であると理解したという印である。
いずれにせよ、あなたの中でダルマが発達し始めると、あなた自身の中から徳質が現れる。信も勤勉さも知性もない人々の中から徳質が生起すのは至難の業だろう。」
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