パドマサンバヴァの秘密の教え(28)「指針」
⑩指針
「守るべき教えには二通りある。
大志のボーディチッタの指針に関しては、すべての衆生を決して見捨てないという意志を持って、ボーディチッタを何度も何度も訓練しなくてはならないということである。
大志のボーディチッタが損なわれる条件を以下に述べる。
・衆生を拒絶し、他者に怒りを発したり、あるいは暴力をふるう。
・師、法友あるいは尊敬に値する誰かを裏切る心があり、実際に彼らを欺く。
・誰かが行なった多大な善根に対し、それは喜ぶべきものであるにも関わらず、「こんなものは優れてはいない!」と言ってその人にそれを後悔させる。
・ボーディチッタを発達させている菩薩に対し、怒りに突き動かされて非難の言葉を発する。
・衆生を無慈悲に騙す。
もしあなたがこれらの過ちに対する解毒の対抗策を用いることなく、そのまま死んでしまえば、これらの行為はボーディチッタを損なう五つの邪悪な行為と呼ばれる。
ツォギャルよ、これらによって大志のボーディチッタの誓いを失うことになるので、それらを止めなさい。これらの教えを守らないことによって、あなたは滅びる可能性があるのだ。
以上に加えて、あなたが堅固にすべき五つの行為がある。
1.怒りを表わしたり、暴力をふるうことに対する対抗策としては、常に平和的で穏やかでありなさい。そして衆生を助けるよう努めなさい。
2.尊敬に価する誰かを欺くことに対する対抗策としては、命にかけても誠実を守り、嘘をつかないようにしなさい。
3.他者の善に後悔の念を抱かせることに対する対抗策としては、すべての衆生を、大いなる悟りに導くように助けきなさい。
4.怒りから菩薩を非難することに対する対抗策としては、大乗の道を行くすべての人々をあなたの師であると考えて称賛しなさい。
5.衆生を欺くことに対する対抗策は、自分自身の心を証人として、純粋な意図を持って、堅忍不抜の意志をもつ人々に従いなさい。
これらの行いを堅固にしなさい。そうすれば、あなたは女性として生まれていても、釈迦牟尼の教えの保持者となるだろう。