要約・ラーマクリシュナの生涯(33)「弟子たちへの様々な指導」(5)
◎ヴァイクンタナートの答え
あるときラーマクリシュナは、ヴァイクンタナートという名の新参者の信者に対してこう言った。
「さて、ラムたちはこれ(ラーマクリシュナ自身のこと)がアヴァターラだと言っている。お前、どう思うか?」
ヴァイクンタナート「それではあなたをずいぶん軽んじていることになります。」
ラーマクリシュナ「なんだって? 彼らはアヴァターラ(神の化身)と言っているのに、軽んじていると?」
ヴァイクンタナート「はい。師よ、アヴァターラは神の一部でございますが、私はあなたをシヴァご自身と見ております。」
ラーマクリシュナ「本気か?」
ヴァイクンタナート「本気でそう思うのでございます。どうしようもないのでございます。あなたは私にシヴァを瞑想するようにとおっしゃいました。しかし毎日やってみても、できないのです。瞑想の座に着くと、あなたの慈悲深い至福に満ちたお顔が、光り輝いて、必ず私の前に現われるのでございます。それをシヴァと入れ替えることもできませんし、したいとも思いません。それであなたをシヴァご自身とみなしているのです。」
ラーマクリシュナ(微笑みつつ)「そうなのか。しかし私はお前の髪の毛ほどの価値もない者だよ。
お前のことを案じていたが、今日は安心したよ。」
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