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要約・ラーマクリシュナの生涯(30)「若き日のナレンドラと初めてのドッキネッショル訪問」①

30 若き日のナレンドラと初めてのドッキネッショル訪問

◎ラーマクリシュナとナレンドラの初対面

 
 後のスワミ・ヴィヴェーカーナンダことナレンドラが初めてドッキネッショルを訪れたのは、ラカールの三、四か月ほど後のことだった。

 カルカッタのシムラーに住むスレンドラナート・ミトラは、ラカールとほぼ同じ時期にドッキネッショルを訪れ、ラーマクリシュナに会った。初対面からスレンドラはラーマクリシュナに強く惹かれた。そしてときどきラーマクリシュナを自宅に招いて祭礼を催すようになった。

 ある日の祭礼において、専門の歌手の都合がつかなかったので、スレーンドラは、キールタンの歌い手として、隣人のヴィシュワナートダッタの息子のナレンドラを招待した。ラーマクリシュナとナレンドラの初対面ははこうして実現したのだった。1881年11月のことだった。そのときナレンドラは18歳で、カルカッタ大学の入学資格試験の準備中だった。

 ラーマクリシュナはナレンドラを一目見て、強く惹かれた。ラーマクリシュナはまずスレンドラに、次にラームチャンドラに、ナレンドラのことを詳しく尋ねた。そしていつかナレンドラをドッキネッショルに連れてくるように、彼らに頼んだ。また、ナレンドラ本人にも、近いうちにドッキネッショルに来るようにと言った。

 カルカッタで尊敬されているある紳士が、自分の娘をナレンドラに嫁がせたいと思っていた。ナレンドラの父のヴィシュワナートもこれに同意したが、ナレンドラ本人は同意しなかった。ヴィシュワナートはラームチャンドラなどの身内に頼んでナレンドラを説得しようとしたが、結局ナレンドラがきっぱり断ったので、縁談は成立しなかった。
 ナレンドラが神の道を歩みたいがために結婚を断ったことを知っていたラームチャンドラは、ナレンドラに言った。

「本当に神を悟りたいと望んでいるのなら、ブラーフモー・サマージや他の場所に行かないで、ドッキネッショルに師をおたずねしなさい。」

 そしてちょうどこの時期のある日、スレンドラが、自分の馬車で一緒にドッキネッショルに行こうとナレンドラを誘った。ナレンドラはそれに同意すると、二、三の友人とともにスレンドラの馬車に乗り、ドッキネッショルに向かったのだった。

 このときのナレンドラの印象について、ラーマクリシュナは後にこう語っている。

「ナレンドラはガンガーに面した西の入り口から部屋に入ってきたのだよ。身なりをかまわないことが見て取れた。髪の毛も着物も全く手入れがされていなかったからだ。仲間とは違って、周りのことには一切無関心な様子で、完全に無執着に見えた。常に心の大部分が内側に向かっていることは、その目が物語っていた。私はこれを見て驚いたのだよ。『物質主義者の住処であるカルカッタに、このような偉大なサーダカがいたとは!』」

「床には敷物が敷いてあった。私が座るように言うと、彼はガンガーの聖水の入った瓶のそばに座った。その日彼は数人の友達と一緒だった。彼らはナレンドラとは正反対で、普通の世俗的な性質であるのが見えた。快楽のことだけを考えていた。」

「ナレンドラに歌のことを尋ねてみると、ベンガル語の歌は2、3曲しか知らないということだった。その歌を歌うよう、彼に言った。するとブラーフモーの『おお魂よ、もう一度家に帰ろう!』を歌いだしたのだ。
 まるで深い瞑想状態のように、全霊で歌ったのだよ。聞いていた私は、自分を抑えられなかった。私は法悦状態に入った。」

 おお魂よ、もう一度われらの本当の家に帰ろう!
 地上というこの異国の地で、なぜにわれらは異邦人の身なりで、目的もなくさまようのか。
 周りの衆生と五元素は、汝にとってすべて異邦人である。
 何一つ汝に属するものはない。
 なぜに他国の人を愛して、汝は己をそんなに忘れているのか。愚かな魂よ。
 なぜに汝はそんなに己を忘れているのか。

 おお魂よ、真理の道を歩め! たゆまず上れ。
 汝の道を照らす明かりとしての愛を持って。
 道中の糧として、注意深く隠された徳を携えよ!
 二人の追いはぎのごとく、貪欲と欺瞞は、汝の富を奪おうと待ち構えているから。
 そして汝はいつもそばに、害悪から守る番人として、心の平安と自制を保ちおけ。

 聖者との交わりは、汝にとって路傍の憩いの場所となるであろう。
 そこでしばらく、汝の疲れた手足を休ませよ。
 もし汝が迷ったら、そこの番人に道を尋ねるがよい。
 道すがら、汝を怖がらせるものがあれば、そのときには大声で神の御名を呼ぶがよい。
 なぜなら、神はその道の統治者だから。
 そして死の神さえも、神の前にひれ伏すに違いないから。

 

「ナレンドラが帰ってしまうと、私は常に彼に会いたいという思いに苦しんだのだよ。このやりきれない苦しみのあまり、心が濡れタオルを絞られているかのように感じたほどだ。自分をこれ以上おさえきれなくなると、庭園の北側にある人気のない松の木立に行って、声の限り泣いたのだよ。
『おお、我が子よ、ここにおいで! お前に会わずには生きていられない!』
 こうしてしばらく泣くと、また自分を抑えられるようになった。この心境は六か月間続いたのだよ。ここに来た少年は他にもいた。なかには非常にひかれる子もいたが、到底ナレンドラの比較ではなかった。」

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