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要約・ラーマクリシュナの生涯(11)「サーダナーと神の酩酊」①

11 サーダナーと神の酩酊

 ゴダドルは、母なる神のヴィジョンから起こった至福の状態のために、しばらくの間、一切の仕事が全くできなくなってしまった。寺院の祭祀その他の規則的な仕事ができなくなったために、フリドエは別のブラーフマナの助けを借りて何とかそれらを執りおこなった。そしてゴダドルは気が狂ったのだと思い、治療を受けさせることにした。そして事情をカマルプクルのゴダドルの母と兄にも知らせた。

 その後、ゴダドルは、時々は日々の礼拝などのつとめをおこなえるようになった。後にラーマクリシュナは、この頃の経験を、このように語っている。

「私はいつも、自分の心に、音楽堂の屋根の欄干に乗っているバイラヴァの像を見せ、こう言って聞かせた。『お前はこのように堅固で不動な状態で、母の蓮華の御足を瞑想しなければいけないぞ』と。
 瞑想に座るやいなや私は、足から始まって次第に上の方に、自分の胴と四肢のあらゆる関節がカタカタという音を立て、まるで誰かが内部から鍵を回してでもいるかのように、次々に錠がかけられるのを聞いた。瞑想をしている間中、私は自分の身体を動かしたりわずかでも姿勢を変えたりする力もなければ、自分の意志で瞑想をやめたり、よそに行ったり、何か他のことをしたりする力もなかった。関節が前のようにカタカタという音を立て、今度は頭の方から足に向かって順々に鍵が外されるまでは、まるで強制的に同じ姿勢で座らされているかのようだった。
 座って瞑想しているとき、最初は、蛍の群れのような光の粒子のヴィジョンを見た。時々は、四方八方が霧のような光の塊で覆われているのを見た。またあるときは、すべてのものに、溶けた銀のような輝く光の波が遍満しているのを見た。こういうものを、あるときは目を閉じたままで、またあるときは目を開いて見たのである。
 私は自分が何を見たのか理解することができなかったし、こんなヴィジョンを見るのが良いことなのか悪いことなのか、それもわからなかった。だから私は当惑して母に祈った。
『母よ、自分に何が起こっているのか、私にはわかりません。私は、あなたをお呼びするためのマントラなども知らないのです。どうぞ、あなたを悟ることのできる方法を、ご自分から私に教えて下さい。母よ、あなたが教えて下さらないとしたら、誰が教えてくれますか? だって、私にとってはあなた以外におすがりするものはないのです。』
 熱心のあまり私は心を集中してよくこういうふうに祈り、悲しげに泣いたものだった。」

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