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要約・ラーマクリシュナの生涯「ラーマクリシュナの聖地巡礼と、フリドエのヴィジョン」②

◎カーシーにて

 カーシーに着くと、モトゥルはケーダルガートに二軒の家を借りた。
 そこに滞在中、ラーマクリシュナはほとんど毎日、カーシーの主神であるヴィシュワナートを拝みに行った。神像にまみえたときはもちろんのこと、寺院に行く途中ですでにラーマクリシュナは法悦状態に入るのだった。どの寺院でもそうだったが、ラーマクリシュナはケーダルナートの寺院で特に深い法悦を経験した。

 またラーマクリシュナは、カーシーに住む聖者たちにも会いに行った。たとえば様々な奇跡をおこなったことで有名な聖者トライランガ・スワーミーを何度か訪ねた。ラーマクリシュナは彼の相を見て、『彼は真のパラマハンサの相を具えており、いわばシヴァの生きた像である』とフリドエに言った。ある日、ラーマクリシュナはトライランガ・スワーミーをモトゥルの滞在する家に連れてきて、彼にパヤサ(粥)をごちそうした。

 後にラーマクリシュナは、こう語っている。

「彼(トライランガ・スワーミー)の中には、生きたヴィシュワナートが現れておられたのだよ。ヴァーラーナシーは彼の存在によって聖別され、光にあふれていたのだ。高い叡智の境地におられた。肉体意識は持っておられなかった。あそこの砂は日が当たって誰も歩けないほど熱くなるのに、彼は気持ちよさそうにそこに横たわっていたのだよ。私は米で作った粥を持っていって、召し上がっていただいた。そのとき沈黙の行をしていた彼とは話しができなかった。そこで私が手振りで『神は一なる者か、多なる者か』をおたずねしたのだ。すると彼も手振りで、サマーディに入っているときの神は一なる者として知られるが、私、あなた、ジーヴァ、世界という意識が少しでもある限り、神は多なる者として感じられるということを示された。
 私は彼を指して、フリドエに言ったのだよ。『このお方の内には、真のブラフマンの智者の境地が見られる』と。」

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