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聖者の生涯「ヴィヴェーカーナンダ」(27)

 アメリカやヨーロッパで布教活動を続けた経験から、ヴィヴェーカーナンダは、インドと西洋を比べた場合のインド社会の大きな欠点の一つは、組織化の欠如であると考えていました。

 そこでヴィヴェーカーナンダは、自分たちの救済活動を組織化するため、法友の出家修行者や在家の信者たちを集めて、会合を持ちました。
 ヴィヴェーカーナンダは、この組織の名前には、ラーマクリシュナという名をつけようと提案しました。
「われわれがラーマクリシュナの名のもとに出家修行者となり、またあなた方がラーマクリシュナを理想として在家者の生活を送っており、師の没後12年間のうちに、その聖なる名前と影響と教えは東洋と西洋にこのように全く思いがけなく広がったためである。」
と、ヴィヴェーカーナンダは述べました。
 出席者たちはヴィヴェーカーナンダの提案に賛同し、こうして「ラーマクリシュナ・ミッション」が誕生したのでした。

 このラーマクリシュナ・ミッションは、以下のような性質を持つものとされました。

◎目的
・人類の幸福のために、ラーマクリシュナが自らの生き方を見本として説き教えた真理を広めること。
・人々の肉体的・精神的・宗教的発展のために、それらの真理を実践し、他者を援助すること。

◎義務
・すべての宗教は「不滅なる永遠のダルマ」の数多くの形態の一つであるということを知り、さまざまな宗教の信奉者の中に協調を確立するために、ラーマクリシュナが始めたもろもろの活動を正しい精神で指導すること。

◎活動の方法
・一般民衆の物質的・精神的幸福に貢献しうるような知識と科学を教えるにふさわしい人間を養成すること。
・人文科学や産業を促進、奨励すること。
・ラーマクリシュナの生涯において明らかにされたヴェーダーンタと他の理念を一般の人々に紹介し、広めること。

 ラーマクリシュナ・ミッションは、インド国内と外国との二つの活動分野を持ちました。
 また、ラーマクリシュナ・ミッションの目的と理想は、純粋に精神的・人道主義的なものであって、政治とはなんら関係を持ってはならないとされました。

 
 兄弟弟子たちや在家の信者たちは、喜んでヴィヴェーカーナンダが率いるこれらの活動に従事しましたが、しかしこのころになっても、兄弟弟子たちは全面的にヴィヴェーカーナンダのやり方に賛成していたわけではありませんでした。
 ある兄弟弟子は、ヴィヴェーカーナンダに対してあからさまにこう非難の言葉を述べました。
「あなたはアメリカにおいて、ラーマクリシュナについて説くことはありませんでした。あなたはただ自分のことを説いただけです。」
 これに対してヴィヴェーカーナンダは率直にこう答えました。
「人々には、まず最初に私を理解してもらいます。
 そうすれば、彼らも聖ラーマクリシュナを理解するでしょう。」

 
つづく
 

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