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死から不滅の魂へ――Mの伝記より抜粋(1)

◎死から不滅の魂へ――Mの伝記より抜粋

 スワミ・チェータナーナンダ

 死は、この無常な世界において避けられないものである。
 出会ったものは、必ず別れなければならない。
 生と死の車輪は、とどまることなく回り続け、時(マハーカーラ)はその車輪の支配者である。
 「時」には、親しい者も憎む者もいない。それはすべてに平等であるのだ。

 78歳を迎え、Mはラーマクリシュナの神聖な遊戯の中の彼の役割が終わりに近づいていること――つまり、この世の舞台からの旅立ちの準備が必要であることを悟っていた。
 彼は自分の役割を確実に演じたことに非常に満足していた。またそれら自分の役割が時代を越えて思い出されるであろうことを確信していた。

 時は、実際にはすべてを破滅させてしまうが、Mの不朽の名作”ラーマクリシュナの福音”にそれが触れることはできないだろう。
 真の愛を持つ人は、いつも自分の最愛の御方について語り、その話に耳を傾けるだろう。Mの人生は、最愛の師を真に愛する人、そして彼の信者としての、素晴らしい見本である。

 ある日、神秘的な気分の中、彼は師への切望を表わそうとしていた。彼は言った。

「師は、母に会うためにいつも走り回っている5歳の少年のようであられた。
 師は、花を咲かせ、香りが広く広がる美しい花のようであられた。
 師は、他のランプに火をつける大きなかがり火のようであられた。
 師は、いつも母の栄光を歌うことに夢中な神聖なヴィーナのようであられた。
 師は、静かで澄み切ったサチダーナンダの海を喜びに満ちあふれて泳いでいる魚のようであられた。
 師は、嵐で巣を失った鳥が神の門に羽を休めるように、神の栄光を歌い、喜びに満ち溢れてこの世と神の世界を行きつ戻りつしているようであられた。」

 たくさんの比喩で師を言い表そうとしたあと、Mは、これらすべての比喩でも、彼を表現するには不十分なものだと言った。
 神は言葉で表わすことはできないのだと。

 トゥルシーダースは言った。

「神の信者たちがいなければ、神について話せない。神について話すことがなければ、解脱を得る機会がなくなる。
 解脱を得る機会がなければ、神に会うことは不可能である。」

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