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教えを修習する方法


教えを修習する方法

パトゥル・リンポチェ

 スートラにはこう述べられている。

「尊敬すべき息子よ、
 自分自身を病人と考え、
 教えを薬と考え、
 グルを賢い医師と考え、
 ひたむきな修行を治療と考えなさい。」

 あなたは深刻な病にかかったのだと想像しなさい。
 あなたは、すぐに腕の良い医師の下へと行くだろう。
 医師の指示に従って、あなたは、すべてのエネルギーを病を和らげるために向けながら、彼の処方する薬を慎重にとるだろう。

 ところで、自我は病人のようである。
 無始の過去から、それは、愛著、嫌悪、迷妄の毒によって生じる苦難によって苦しめられ、苦しみの大海を流転してきた。

 師は、腕の良い医師である。
 苦しみ、煩悩、カルマという病からの解放を見つけるために、あなたは素晴らしい教えという薬を飲み、師に教えられたことに基づいて行動しなければならない。

 たとえ師に頼ったとしても、もしあなたが師の指示に従って修行しないならば、あなたはまるで医師のアドヴァイスを聞かない病人のようであから、救われないだろう。
 もし素晴らしい教えという薬を「修行の実行」としてとらなければ、あなたは、枕元に使われないままになっている無数の処方薬を置き忘れている病人のようである。彼は癒されないであろう。

 今日、師の下へ行く人々、「大慈悲を持ってわたしをじっと見てください!」と師に泣きついて懇願する偉大な思いを持つ人々がいる。
 しかし、彼らは師に出会ってからもずっと、不健全な行為を蓄積し続けている。彼らは、自分たちは何もしなくても師の慈悲が彼らを拾い上げ、純粋な領域に石のように投げ込んでくれるだろうと考えている。
 彼らは、彼らの為した行為の果報から逃げられると思っているのだ。
 しかし、師の慈悲にすがるということは、師が、大いなる慈愛から、あなたにかかわるということを意味する。
 彼は、深遠なる教えをあなたに説くだろう。
 彼は、着手されるべきものと放棄されるべきものを説明するだろう。
 彼は、勝利者の言葉に従って、解脱の道を説くだろう。
 これよりどんな慈悲深いことがあるだろうか?
 さあ、そのような慈悲に出会ったのだから、あなたが解脱の道を進もうと進まないと、それはただあなた次第である。

 あなたが幸運な人間の存在を得たのだということを心に留めておきなさい。
 あなたは、為されるべきことのエッセンスを知っている。
 あなたは、行動するための能力を持っている。
 今のこのまさに瞬間は、幸福へ続く道と不幸へ続く道の狭間の境界である。
 ひとたびあなたが師の指示に従って修行に着手したならば、それはあなたが輪廻に結びつけられるか、ニルヴァーナに解脱するかという分かれ道においての、大きなアプローチとなるのである。

 あなたが死体となったそのときに、善趣への上昇と悪趣への下降の境界線にいるあなたは、馬のように素早くどちらかに引っ張られる。
 もしあなたが生きている間に十分に真理の道を修習しなかったならば、あなたは荒々しく過激なカルマの風によって背後から追いやられ、恐るべき黒い無明によって歓迎されるだろう。
 長く狭いバルドの通路に無理やり押し込まれ、気が付くとあなたは、「殴るぞ! 殴るぞ! 殺すぞ! 殺すぞ!」と叫びながらあなたを追いかけてくる、想像を絶する恐ろしさの死の王と向かい合っている。
 逃げたり隠れたりするあらゆる場所、あらゆる拠り所はなく、希望は消えたのだ。
 この完全なる恐怖の状態で、上昇と下降の境界はやってくるだろう。

 ウッディーヤナの偉大なる師は、こうおっしゃった。

「イニシエーションが死体に与えられても
 それはすでに遅すぎる。
 彼の意識はすでに、狂った犬のように、
 中間状態の中でさまよっている。
 存在の良い状態を思い出すには、
 彼は非常に難しいときにあるのだ。」

 本当に、その境界線は、馬のように素早く渡られる。
 しかしこの境界線は、生きているまさにこの状態の今、ここにあるのだ!

 あなたが人間の身体を得たときに、上昇に向かい、健全な行為を今成就することは、そのような行為を人間以外の他の存在の状態のときに為すよりも、偉大な力となるのだ。
 しかしあなたは、不健全で、下降に向かう行為を集積してしまう大いなる能力も同様に持っている。そのように為すことは、確実に最悪の存在の深みに束縛される因となるだろう。
 よって、このチャンスを逃してはならない。

 博学な医師のような師、そして死をも癒す甘露のような素晴らしきに教えに出会ったのだから、あなたが学んだその教えを実践しなさい。
 
 今日、修行しなさい。――解脱への道を進むのだ!

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