地水火風空
人間界は水元素優位の世界。
人体の60パーセントは水分であり、たとえば精液という水分の移動が、人間に性的快楽をもたらす。
逆に、我々がお金や食べ物やその他の固形物質にこだわり、とらわれるならば、人間は、人間の姿をしていても、人間以下の地元素の世界に落下することになる。
性的な喜び、そして精神的な情緒の喜び、これが人間レベルの喜びなのだ。
しかし修行を進め、人間が神の領域へと歩を進めだすと、水元素から火元素へと、その人の心身の中心要素は移行していく。
火元素中心の心身を得た人の体は燃えるように熱く、心は非常に明るく肯定的だ。眠りは少なく、エネルギッシュで、多くの物事を達成する徳と力に満ち溢れる。そして大変知性が高くなる。
消化の炎が燃えるため、食欲は強くなるかもしれない。そして最初のうちは強いエネルギーをコントロールできずに性欲も出るかもしれないが、本当に火元素優位になったら、性的喜びなどの低度な快楽には興味がなくなるだろう。
そして火元素も超え、風元素優位の心身を得たとき--しかも浄化され純粋化された気道と風エネルギーと心滴を得たとき--その人は風の身体、歓喜の身体を得る。
この歓喜の身体は、触れるだけで歓喜。動くだけで歓喜。だから日常のあらゆる行動が、歓喜に満ち溢れる。
もちろん精神的にも、完全な歓喜と安心感に満ち溢れるだろう。
ところで、我々が徳を積んだり、神や仏陀やグルへのバクティ・ヨーガの修行をしたとき、我々はそのような高い世界からエネルギーを受けたり、あるいは徳の果報を得ることになる。
ここで、こちら側の心身が、どのような段階にあるかということが問題になる。
こちら側が地元素レベルの状態だった場合、その徳の力は、あくまでも物質的な、眼に見える果報としてのみ返ってくるだろう。
水元素レベルだった場合、それは性的な喜びの増大とか、あるいは情緒的な喜び、あるいは身体の健康などが果報の中心になるだろう。
火元素レベルだった場合、私達の知性はより増大し、心はより明るくなり、そして物事を達成するエネルギーもより増大し、より多くの物事を達成できるようになるだろう。
そして私達が純粋化された風の身体を得ていた場合、その高い世界のエネルギーや徳の力は、我々の風エネルギーに直接的に影響を与えるので、我々は言葉を超えた、本当にえもいわれぬ強い純粋な歓喜に包まれることになる。
たとえば神や仏陀やグルを思うだけで、体が固定され、歓喜に包まれる。
何か徳を積んでいる最中に、強烈な歓喜が降りてくる。
あるいは逆に、自分の中の悪業や、他者から受けた悪業が浄化されたとき、強烈な歓喜に包まれる。
だから風の身体を得ていると、徳のエネルギーや仏陀のエネルギー、そしてカルマの法則といったものを、直接的にストレートに感じ、理解することができるようになるだろう。
以上のことは私自身が身をもって経験し、分析してきたことです。
皆さんが地から水へ、水から火へ、火から風へと速やかに段階を上げていき、最後は純粋な空の世界へと没入されますように。